地元の通学電車に、朝のラッシュ時いつも乗ってくる有名な男がいた。
見た目はチャラ男っぽい。小柄で茶髪DQNでいつもイライラ体を揺すっていて、
自分のパーソナルスペースがあるらしく、電車が混んできて自分のまわりに人が来だすと
その相手を殴る癖がある。
殴られた方はたいていビックリして「え、あぶない人?」って顔してそそくさと離れてしまう。
でも混んでるからそのスペースにまた人が入ってくるわけで
そしたらその男はまた殴る。
被害者は主に女子供。男を殴ってるところは見たことがない。
日常的にいろんな人が殴られてるのに
みんな遠巻きにして「ヤバイ奴だ、近寄らんとこう」みたいな扱いで、誰も大ごとにする人はいなかった。
だがある日を境にその男は乗ってこなくなり
電車内には平穏が戻った。
しかし数年後、男はまたその時刻のその電車に戻ってきた。
そして相変わらず女子供を殴りはじめた。
そいつはその沿線ではけっこうな有名人だったため、当時われわれが通っていた高校にも
「ヤツが戻ってきた」という噂はさっそく流れた。
前のときは小学生で、男にしてみたら格好の獲物だったのだろう。
被害者が寄り集まって「あのときはああだった、こうだった」みたいに話しているうち
誰からともなく「やりかえそう」ということになった。
ちなみに近くの高校のやつらも誘った。
復讐方法はたいしたことない。
有志三校の男子&女子バレー部・バスケ部の面々で毎日その電車に乗って
そいつを終点の駅までずーっと囲んでやったというそれだけ。
被害者当時はちびっこ小学生でも、今は180超えのヒゲヅラ。
そいつの大好物であるはずの女子高生も、全員175後半の高身長。そいつより10cmは高いし筋肉質。
殴って勝てる相手ではない。
イライライライラしてるのが遠目にも丸わかり。
バレーバスケ部連合はそいつを囲んで、さらにぎゅうぎゅう押しまくる。
DQN完全発狂。
終点近くの駅では顔を真っ赤にして、バスケ部女子にドスドス肘打ちをかましはじめたが
男子バスケ部の一番ガタイいい男がさりげなく体を入れ替え、代わりにその位置に。
DQN、卒倒寸前みたいな顔色になってた。
そして四日目、本当にDQNはぶっ倒れた。
ストレスなのか、怒りで脳の血管でも切れたのか理由はわからないが
突然棒みたいにバターンとぶっ倒れた。
次の駅でDQNは駅員さんに運び出されていった。
それがDQNを見た最後でした。
以後、奴を見た者はこの近辺では一人もいません。どうなったのかも不明。
電車には平和が戻りました。
ちなみにガタイのいい男子バスケ部員はその後、守った女子部員と付き合った。
俺は関係ない陸上部でした。彼女はできませんでした。
以上です。
貧乏なのか高齢なのか…
正論こさえた身は山のように据わってこそ絵になんのよ
引用元: ・本当にやった復讐 20