sounan

305: 255 03/07/10 02:06 ID:VTJXEu/I
恋人と一緒に暮らすことになり
長年親しんだ大阪のマンションを引き払って奈良へ。
レンタルの軽トラは、唯一自転車だけは積むことができず
「また後日」ということで、もう一往復するのはやめた。
2週間後、用があって大阪に来た僕は、
ついでに自転車に乗って奈良まで帰ろうと考えた。
本屋で地図を確認し、目算で35キロくらい。いけそう。
途中で生駒山を越えねばならないが、きちんと車道があるので
道に迷うことも無かろうと判断し、実行に移した。



時は2月10日。2日前に大雪が降るなど、寒い日が続く冬のただ中。
快調に自転車をとばし、山の麓にたどり着いた。
生駒山を自転車漕いで越えるのは、
傾斜の面でも、安全性の面(歩道が無いに等しいので)でも無理。
降りて押し上げていくつもりだった。
目の前の、誤った道を…               つづく
308: 255 03/07/10 02:23 ID:VTJXEu/I
地元の人は分かると思うが、生駒付近は、道路の看板に従って進むと
間違った道に出るらしい。
(いつもと違うような気がする)当初からそういう不安を抱いていたくせに、
(まあ、目の前が生駒山なんは間違いないし)と、悠長にその道を登り始めた。
大阪市内を自転車で走り回り、色々な用事を済ませた上での坂登り。
どうやら疲労が蓄積してたらしい。
住宅地を抜け、道路が道路でなくなり始めたとき、右足のふとももがつった。
目の前は明らかに山道。加えてアクシデント…
普通なら、山を降りて最寄の石切駅から、電車で帰るもの。
しかし僕は、(ここまで登っといて、電車ではもったいない)と、
登山を続行した。もはや、坂登りのレベルではない。

じきに、完全な山道となり、ひと気は0。
時折、道の都合で自転車を転がせず、抱えねばならないことも多々。
そうするうちに、足の4箇所全てがつった。
うんこ座りで筋肉を伸ばし、何とか回復したが、
いつ再発するか分からない状態を警戒しつつ、慎重に体を動かす。
もう判断力が麻痺して、(絶対登ったる)とか思っていた。 
                   つづく。ごめんなさい。 

310: 255 03/07/10 02:41 ID:VTJXEu/I
やがて日が暮れ、もともと暗かった森が、闇に包まれた。
そして、おそらくは山の中腹に差し掛かった頃、目の前に雪が!
大雪だったとはいえ、まさか2日後に残ってるなんて…
ショックを受けると同時に、恐怖心を抱き始めた。
戻ればいいだけなのに…
足の痙攣、雪に足をとられる状況、寒さ、闇、と戦いつつ、
生駒からの夜景が見える場所に差し掛かったとき
(これが最期に見る夜景かなあ?)と考え始める。
いやしかし、この程度の山で遭難したら、かなりの恥だ。あり得なさ過ぎる。
そう言い聞かせて奮闘し、途中、道に迷ってマジでやばい目に遭いつつも
何とか、山頂にたどり着いた。
そこは生駒山上遊園地。あり得ない時間に、あり得ない所から
あり得ない状況で(自転車)人が降りてくるのを、
料金所の係はどう見たのだろうか?
多分(人殺して埋めました)みたいなシチューエーションだっただろう。
怪訝な顔の係の人に、「奈良はあちらを降りるんですよね」と
道を尋ね、後は、何度も足をつりながらも無事に帰宅した。
山に突入後、4時間半経った21:00過ぎだった。
長くなって申し訳ないです。1つ目をもっと推敲して、簡潔にすべきだった。

引用元: 続・胸がスーッとする武勇伝を聞かせてください!