そしたらすごい混雑で押し競饅頭状態でした。
俺が流れに身を任せて歩いていると後ろから「押すんじゃねぇよ…!くそが!」
という声と共に誰かが小突いてきました。何度も何度も。
振り返ってみると、俺より背が少し高い(180cm後半?)くらいの40代くらいの
オッサンが睨んできました。しかも脇には子供を抱えている。
俺が哀れみの目で見ると「んだコラなにガン飛ばしてんだ殴られたいのか?」
とか言ってきました。
こういう状況が大好きな俺。思わずニタァっと笑みがこぼれてしまいましたが、
まわりに迷惑だと思い自重することに。構わないでおこうと前を向きなおしました。
すると、予想だにしなかった衝撃を背中に受けました。オッサンがド突いてきたようです。
俺はすばやく向き直りオッサンと対峙。異変を察知した周辺が1mくらいサッと離れました。
すると、嘘みたいにオッサンはひねり上がりました。俺より絶対に体重重いのに。
突然オッサンは弱気になり、言うに事欠いて「子供がいるんだぞぉ!?」
子供がいる癖に喧嘩売ってくるなよと。いい歳したオッサンが。
だいたいオッサンの言い分からしておかしい。混んでるのに押すもなにもないだろと。
最終的には見ず知らずのおじいちゃんが「年末年始なんだし、仲良くしましょうや!」と
仲介に入ってくれましたので「すみません、そうですね。ありがとうございます」と
言っておきました。オッサンは「なーにが“ありがとう”だ!?」と食いついてきましたが、
俺が「遠吠えですか?」と言うと周辺で見守ってたギャラリーが失笑。オッサンは悪態をついて
去っていきました。
最後に残った俺はちょこちょこ近づいてきたどっかのおばあちゃんに、
「ああいうのは無視するのが一番だよっ(笑)」と諭されてしまいました。
俺も乗っかった以上はDQN客の一人だな、と自粛しつつ、
あんなDQN親父がはるか年長だと思うと阿呆に年の差はないなと感じずには
いられませんでした。長文失礼。
小突かれたとき、どうやら俺のオーバーオールが破損してしまったようです。
ショック。
それにしても、あんな押し競饅頭状態にも関わらず喧嘩が始まるとすぐに
場を作り出すギャラリーに圧倒されました。
何も言わず腕組みして見守ってた売り子の漁師のおっちゃんにも感謝です。
いやいや、胸倉押さえる程度で我慢したんだから、よく我慢したよ。
どんなにギュウギュウ詰めの満員電車内でも、
誰か一人がゲロッたりすると途端にサーッと広い空間ができる。
人間は身の危険を感じると、きっと体積が減るに違いないのだと思う。
いや実際は、他人とのプライベート距離がゼロになるってだけの話だろうけど。
引用元: ・あなたが遭遇したDQN客【51人目】