夫は知らん顔を通していますが、助手席に落ちている長い茶髪や、見慣れない飴の包み紙。不自然にロックのかかった携帯や、私のとは違う香が仄かに漂うスーツの上着など、完全に怪しい証拠が山ほどあります。
しかし何を問い詰めてもしらばっくれるか、逆切れして言い訳しかしない夫に愛想も尽き、慰謝料を貰って離婚しようと今は不倫夫を泳がせていたところ、ある土曜日の午後、友人とのランチから帰宅してみると、何と家の中で不倫行為の真っ最中でした。
アパートの玄関に見慣れないサンダルが脱ぎ捨ててあり、奥からは女のピンクの声まで聞こえてくる始末。
このまま現場に乗り込むことも考えましたが、また逆切れされたり、最中の女のハダカを見るのも嫌だったので、とりあえずささやかな反撃をすることに決めました。
ガチャンと鍵を開けても気が付かない行為にご執心な二人に気づかれないよう、そっと家の中に入ると、玄関に脱いである女のサンダルの片方を外へ投げ捨てました。そして、入り口付近のお風呂場の脱衣所に脱ぎ捨ててあった女の肌着を持っていたコンビニの袋で摘み、脱衣所の横のゴミ箱へ入れて、上から持っていたコーラをたっぷりかけて、再び家を出ました。
家の扉の横で待つこと30分、やがて女の悲鳴に似た叫び声が脱衣所から上がりました。
夫も何が何だか分からず大騒ぎ、その声を聞いたらすっきりしたので、そのままこっそり階段を下りて、電車に乗り再び街へ戻って、一人で祝杯をあげたことは言うまでもありません。
夜、帰宅した私に夫は疑いの言葉を言うこともせず、無言の抵抗。
部屋に女の匂いがする、と私が言うや、そそくさと逃げるようにアパートから出て行きました。
その後、夫は貯金も無く、逆に借金があることが発覚したので、慰謝料は請求せず離婚しました。
ようやく浮気夫から解放され、今は悠悠自適な一人暮らしを満喫しています。
引用元: ・・今までにあった最大の修羅場