時は昭和の末期の三月。俺はこの日のために早々と特急の指定席をとっておいた。
今では考えられないことだが、あの当時は禁煙車両てのがほとんど無かった。
なのでそこの倍率はとにかく高かったので、早々と車両最後尾の窓側をゲットした。
そんでもって当日、その席へ向かうとバカ親子(母と娘)が既に座っていて、
通路にはOLさんが立っていてその親子と口論になっていた。
聞けばその席の通路側はOLさんの席なのだが、バカ親子が席を替わってほしいとのこと。
ちなみにバカ親子の本来の席は、二つとも喫煙車両の通路側でバラバラだった。
俺「ちょっとなに勝手なこと言ってんの。早く立てよ。」
母「そんなこと言わずに、ね?席替わりましょうよ。」
俺「何そのものの言い方。人にお願いするんならそういう言い方があるだろうが。」
母「娘はこれから大学の受験に行くんですよ?ただの旅行じゃないんです!
娘の一生がかかった大事な…」
俺「 俺 も 受 験 だ !!」
母「(沈黙)」
俺「さっきから聞いてりゃてめえの都合ばっかりペラペラ言いやがって!
受験の日が分かっていたから、俺は十分前もってこの席を予約したんだ!OLさんもそう。
だけどお前はなに?ただの怠慢だろうがこの役立たず!受験前にバカがうつったら嫌だから、
早く俺の前から消え去れ!さあ、早く!!」
って大声で怒鳴ったら渋々席を立つバカ親子。
隣のOLさんがお礼と言ってコーヒーをご馳走してくれて、20分ほど他愛も無い会話を楽しんだ。
彼女が先に降りることになって、受験応援しているから頑張ってね、と去り際に言われたことを覚えてる。
お陰で無事に合格しましたとも。
バカ親子ときれいなOLさんという、高校生には忘れられない経験だった。
バカ相手にボルテージを上げたのが受験の勝因かなw
人にオマエ呼ばわりはちょっと。
引用元: ・(-д-)本当にあったずうずうしい話 第110話
指定式じゃなくて指定席。