学生時代:ゲーム大好き。インドア派。成績は中の中だがコミュ障ぎみ。
22歳で大学卒業するも、面接が苦手で就職先が見つからず撃沈。
最初は焼肉屋でバイトしてたんだが、1年くらいでやめた。
あとは日雇いのバイトとかたまにする程度。
父親はサラリーマン58歳。母親は看護師58歳。
平日は自宅に誰もいなくなるから、俺が警備を担当している。
といっても普段はそんな事件なんて起こらないから平和そのものだ。
マンガ読んだりゲームしたりしながら毎日過ごしてる。
俺はいつも通り、南側の窓のある部屋(和室、畳部屋)にごろごろしながら、
闇金ウシジマ君を読んでいた。
ちなみにウチはマンションの2階なんだが、
南の部屋は日中は多少なりとも日の光が入ってくるので明るい。
俺は両親に多少なりとも気を使って、日中はなるべく電気を使わないようにこの部屋に居るようにしてた。
なんか頭の上の方(窓のほう)からキィキィ音がする。
しばらくはどっかで道路工事でもしてるのかと思ってたんだが、
やっぱり妙に近くから音がするような気がして、ふと窓の方に目をやってみた。
どう見ても人間と思しき影が、ベランダの窓の所に座ってなんかやっている。
俺の体はこわばった。
どうしよう、なにアレ? やべぇよ絶対。
ありがとう、誰も見てなかったらそろそろ「ぬるぽ」しようかと思ってたんだ。
あと書くの遅くてすまん。
冷静に考えてみたら、たぶん向こうが逃げていくと思うんだが、
とりあえずその時はそんな事考えられなかった。
そんな訳で、たぶん30秒くらいは動けずじっと固まってた気がする。
しかし節電のために電気はつけてなかったんで、部屋の中はそんなに明るくない。
加えて厚手のカーテンのおかげで、外からはあんまり中が見えないはずだ。
とりあえずこの部屋から出なくては、と思った。
仰向けからゴロンしてうつ伏せになって、ほふく前進みたいにして隣のリビングに出た。
リビングのソファの陰になる所あたりからハイハイみたいな感じになって、
さらに廊下に出て、トイレに入った。
移動中は気付かなかったけど、額とか背中とか汗でびっちょりになっていた。
ついでにちょっと尿意もあったけど、なんかジョボジョボって音で気づかれたらマヌケすぎると思ってやめといた。
で、ポケットから携帯を取り出して、110番に電話した。
人生で初めての110番で、緊張したが、なんか優しそうな声のお姉さん(おばさんかも)が出てくれた。
「はい、○○です(なんとか指令室とか言ってた気がする、忘れた)、どうしましたか?」
「え、えっと、その、家に泥棒が入ってきているみたいであdsfか;」
俺はちょっとドモりながら答えた。
「泥棒に入られたんですね、住所はどちらですか?」
「入られたんじゃなくて、今どろぼうがあ;dsfじゃ;ldjkf」
俺は語尾に向かって声が小さくなる癖がある。
「ハ、ハイ、そうなんですあ;lkdjf;k」
ちょうどそれ位の時に、和室の方からカラカラカラっと窓の開く音が聞こえてきた。
俺は声をひそめながら、モソモソと住所を伝えた。
「分かりました、すぐに付近の警察官が向かいますのでお待ち下さい。
犯人の身長や服装は見ましたか?」
「いえ、まだ見てないでぅ」
「わかりました。では連絡先を教えて下さい」
んで、携帯の電話番号を言ったら
「それでは警察官が到着するまでお待ちください」
といって切られた。
>>22-23 おまいらお姉さんにつられすぎww
割と落ち着いた感じの声だったから、30〜40くらいかもよ?
ミシッミシッって人が歩いている音が聞こえてきた。
か、確実に中に入ってきているよ!!
早く来てくれ警察の人!
俺はすがるような思いで祈っていた。
でも同時に、「そういやガラス割れる音しなかったな」
とか、どうでもいい事も考えていた。
後で分かったんだが、ガラス割る時は
ガムテープみたいの貼って割るから殆ど音がしないらしい。
たまに引き出しをあけるような音とか聞こえるくらいで、
割と静かなもんだった。
俺は汗だくになりながらも、じっとトイレで身をひそめていた。
どれくらい経ったろう。たぶん1分くらいだと思うが、すごい長く感じた。
すると、突然また足音がしだして、今度はトイレの方に近づいてきた!!
トイレクイックル、芳香剤、ちいさなゴミ箱・・・
ダメだ、どれも武器になりそうにない。
そもそもドアにカギがかかっているから、そう簡単には開かないんだが。
足音がトイレの前を通りすぎる時、俺の緊張は極限に達した。
よくマンガとかで汗がポタポタ垂れるけど、
本当に床に汗がポタッと垂れたのは初めてかもしんない。
そのくらいすごい汗だった。
足音はそのままトイレの前を通り過ぎて、奥の部屋へと向かっていった。
実はうちの大事なものは、寝室のたんすの引き出しの一番上に入っている。
たぶん泥棒に見つかるのも時間の問題だろう。
(ここで俺が出ていけば盗まれるのは止められるかも)
家の大切な財産が奪われかねない状況になった事で、
今まで逃げ一辺倒だった俺の心境に変化が生まれた。
今出ていけば、大切なものは盗まれずに済むかもしれない!
けど、俺の命の保障はない。
いくら自宅警備員とはいえ、命は惜しい。
っていうか、怪我するのだって嫌だ。
俺はたまに部屋でなんちゃって筋トレするくらいで、
ガタイも良くないし、もみ合いになったらたぶんやられる。
ダメだ、父さん母さん、俺は二人の大切な財産を守れそうにないよ・・・。
俺はトイレの中で一人で葛藤していた。
出ていけば(たぶん)やられる。
出ていかなければ財産が奪われる。
どうする、俺、どうすんのよ、俺?
なんかどっかのCMのキャッチフレーズが頭に浮かんだりしつつ、
結局俺は泥棒が寝室から出てくるまでの間、取り押さえにいけなかった。
ダメだ、たぶん通帳とか母さんの指輪とか、全部やられたに違いない。
ミシミシと足音が寝室を出て、廊下を玄関の方に向かって歩いていくのを聞いて、
俺は絶望感に浸っていた。
その時、予想外の出来事が起こった!
続きwktk
その奥の右が寝室、つきあたりがリビングと和室になっている。
ちなみに廊下の左側は洗面所&風呂場と、その奥が俺の立てこもっているトイレだ。
寝室から出てきた泥棒が次に通るのは俺の部屋の前だった。
俺はなぜか自分の部屋は素通りして玄関から出ていくと思ったんだが、
落ち着いて考えてみれば考えてみたら泥棒にとってはそこが俺の部屋なんて事は知る由もなく、
当然いくつかある部屋のうちの一つだから入るわな。
足音は俺の部屋の方へとミシミシと消えていった。
その時、俺の頭脳は自分の部屋で何が盗まれそうか瞬時にはじき出していた。
バイト代で頑張って買ったノートパソコン(VAIO)・・・
あれを取られたら、中身のあんなファイルやこんなファイルもバレちまう!
さらに引き籠りがちの俺に取って、パソコンはツールであり遊具であり人生そのものだ。
すでに両親の寝室の時にかなり葛藤していた俺は、
この時、迷いが吹っ切れたかのようにトイレのドアを勢いよく開けて廊下に出ていた。
ドアを開けた音にびっくり反応した泥棒は、
俺の部屋に入って背を向けた体勢からくるりとこちらを振り返った。
その瞬間には、俺はもう部屋の前に立っていた。
ギョッとした表情で一瞬かたまる泥棒。
その姿が俺の目に飛び込んでくる。
頭の中の想像では白と黒のシマシマの服を着て、
風呂敷を背負って泥棒ヒゲを生やしてるイメージだったんだが、
実際の泥棒は全然違っていた。
なんていうか、なんかの配達員というか、メーターの検針員というか、
なんかそんな感じの作業服を着ていて、同じ色の帽子をかぶっていた。
この格好なら玄関から「どうも〜お邪魔しましたー」とか言いながら出てくれば
マンションの住人に見られても怪しまれることもないだろう。
後から泥棒だと分かっても、帽子をかぶってれば身長や顔も分かりづらい。
歩きやすく音がしにくい黒ずんだスニーカーも妙に服装と合っている。
まぁそんな事はどうでもよくて、この状況だ。
泥棒も誰もいないと思って入った家に人がいた訳だから、
さぞかし驚いたに違いない。
しかしこっちだって、さっきまでトイレでガクブルしてたのに
いきなり無策のまま飛び出してしまった訳だ。
固まったまま見つめ合う二人。
たぶん一秒くらいだと思うけど。
顔はなんかちょっといかつい。ってか怖い。勝てなさそうだ。
無限にも感じられるようなほんの一瞬の硬直の後、
俺は半ば無意識のうちに自分の部屋のドアを勢いよく閉めていた。
今思い出してみても、これは単に何か泥棒のオッサンが怖くなって、
物理的な距離を取りたくてやっただけのような気がしてならない。
その瞬間の俺が、そこまで計算高く動いていたとはどうしても思えない。
けど、これは結果的にはベストな状況を作り出した。
開かないように力をかけ続けた。
これもその瞬間は、閉じ込めようとか意識してた訳じゃない。
ただ単に怖くて「こっち来ないでー!!」状態だっただけだ。
オッサンは一瞬何が起きたのか分からないようだったけど、
すぐに俺の部屋のドアを開けようと、ドアノブを下げようとしてきた。
(うちのドアは、棒みたいな部分を下げて開けるタイプ)
必死にドアノブを抑える俺。
ここでドアを開けられたら、俺は殺されるかもしれない。
そう思うと、火事場のバカぢからじゃないけど、凄い力が出た。
ノシノシと部屋の中を少し歩きまわる足音。
たぶん、俺の部屋に他に出口が無いか探してたんだと思う。
けど残念な事に、俺の部屋は人が通れないくらいの
採光用の小さな窓が2つあるだけで、他に出口はない。
採光用の窓は鉄格子っていうか、柵みたいのがついてたから、
たぶんそこからは簡単には出られないはず。低いけど、一応2階だしね。
で、他に出口が無い事を悟ったのか今度はもの凄い力でドアノブを開けようとしてきた。
俺も必死の抵抗。絶対に開けさせてはならない。
二人とも超必死だったと思うんだけど、二人とも無言。
「開けろやゴルァー」とか怒鳴られるかと思ったけど、超無言。
なんか大の大人が二人で無言でドアノブで争ってる光景は、割とシュールだったと思う。
近所の人が助けに来てくれるかもしれなかったしね。
でもそん時はそこまで考えられず。とにかく必死!
ちょっと部屋の中のモノに八つ当たりとかされないか心配だったんだけど、これは大丈夫だった。
泥棒って自分の利益にならない事はしないのかな。
しかし泥棒のオッサンはちょっと力を抜いてから突然力をかけたりとか、
たまにトリッキーな事をしてきてたから気が抜けなかった。
ずっと全力でドアノブを抑えていた。
たぶん3〜4分は争ってたんじゃないだろうか。
「ピンポーン」
部屋のチャイムが鳴った。
玄関の外から叫ぶような大きな声。
「こんにちはー、警察です、○○さんいらっしゃいますかー?」
やっと来た。
なんかもう1時間くらい経ったような気がするけど、
たぶん実際には通報から10分弱くらいだと思う。
それくらいの時間で来てくれるんだから、
なんだかんだで日本の警察は優秀なんだろうけど。
何しろ玄関のカギは閉まっているけど、開けにいけない。
「はい、居ますぅぅ〜!! 助けて下さいぃぃ〜〜!!」
とにかく大きな声で外に向かって叫んだ。
と同時に、オッサンが観念したのかドアノブにかかる力が無くなった。
今ならカギを開けに行ける!と思った瞬間、
ガチャガチャと音がしてカギが開いた。
警察すげー!!!
玄関ドアの向こうから、マンションの管理人さんも顔を覗かせた。
なるほど、カギを開けたのは管理人さんだったようだ。
ちなみに残念ながらドミノピザの人は居なかった。
「通報がありましたが、どうされましたか?」
ドアノブを抑えている俺を見て、ちょっと怪訝な顔で年上の警察官が聞いてくる。
「泥棒をこの部屋にとじぇこめてます!」
ちょっと噛みながら言ったった!
「この中ですか!?」
若手警察官がびっくりして聞き返してくる。
指先がドス黒い赤紫になって、見た事もない色に変色していた。
手のひらにもクッキリとドアノブの形の凹みがついている。
ほんとに馬鹿みたいな力でドアノブを握っていたらしい。
「中です、なかなか」
俺が必死に伝えつつ警官に通路をあけると、
若い方の警官がドアをがちゃりと開けた。
中では、さっきのオッサンが半笑いを浮かべながら立っていた。
年上警察官がぼそっと呟いた。
若手警察官が腰のあたりから手錠を取り出して、
オッサンの手を掴んで手首にガチャリとかける。
「11時32分、住居侵入罪の現行犯で逮捕する!」
(↑うろ覚えだけど、確かこんな言い方だったと思う)
手錠をかけられても半笑いのオッサン。
不思議とあんまり抵抗しなかった。
この時なら何か、もみ合っても勝てる気がしたww
なんか大げさにウンウンと頷かれた。
理由はよく分からなかったww
オッサンは灰色のリュックみたいのを持っていて、
その中から現金と母さんの宝石類とリビングに置いてた映画のDVDとかが出てきた。
映画のDVDなんて取って売れるのかなww自分で見るのかなww
若手警官に他に何も持ってないかチェックされた後、
オッサンは外に連れていかれてった。
それから警察に事情聴取っていうか色々と聞かれて、
トイレに隠れてた話や部屋に閉じ込めた話をした。
なんか年上警察官の方はしきりに「ふんふん」「ほーお」とか言って感心していた。
若手の方は手帳にメモ取ってた。
それから両親の連絡先聞かれて、携帯番号を伝えて、
年上の警官の方から名刺もらって、
「また何かあったら連絡するからね。
そちらも何か気付いた事があったら連絡して下さい」
って言われて帰っていった。
たぶん1時間ちょっと話してたのかな。
夢中で話してたから、時間経つのが早かったw
部屋を片づけたりとか、そんな感じで終わりです。
警察からは連絡あるかと思ったけど、
実際の被害が無かったせいか、その後は今のところ連絡なし。
表彰されたりするかと思ったけど、そういうのも無さそうなので、
なんか誰かに無性に武勇伝を話したくてスレ立てしました。
書きためてなくて想像以上に時間かかっちゃったけど、
最後まで付き合ってくれた皆さんどうもありがとう!
顔見られてて自宅も知られてるっていうので
逮捕された逆恨みから仕返しに来られたら怖い
それは怖いかも。いつ出てくるのか警察に聞いておかなくちゃ!
面接ん時言えるぞこの話。
相当スゴいことだし
いやいやいやww
部屋に入ってきた泥棒を背負い投げで倒しましたとかならアリだけど、
ドアノブ抑えて必死に閉じ込めましたじゃあ全然ダメじゃね?
しかもほぼ無計画で結果オーライだっただけだしw
じゃあそろそろ寝ます。
どっかのまとめブログに載ったら嬉しいなーと夢見つつ。
つぎにスレを立てるのは、定職についた時かな。
リーマンになりたいぜ!
お前らも明日から自宅警備を怠るなよ
穏やかな家族風景が想像されてほほえましいです
引用元: ・お手柄!自宅警備員が泥棒を捕まえる!
何を言っていいかわからんしなw
パソコン盗まれて証拠品として押収されたらジポ法違反で
報告者がやばかったかもなw