とても私になついてくれて、私もとても好きだった。
猫を飼って七年目、寒いとき以外は布団に入ってまで寝ようとはしなかったのに、
その年は何故かいつも私の布団で寝るようになっていた。
冬だけでなく、暑い真夏にも。
私としてはそれだけ一緒にいてもらえるのが嬉しかったので、単純に喜んでいた。
ある時、母と大阪に大学見学に行くことになって2~3日家を空けることになり、
私のベッドに寝ていた猫に「行ってくるよ」と言ったら、「にゃあ」と答えた。
そのままじーっと私の顔を見つめたまま。凄く穏やかな顔をしていて、
凄くせつなくなったのは今もはっきり覚えている。
猫の、どうしてもその顔が忘れられなくて、正直旅行も上の空だった。
家に帰ると、猫は何処にもいなかった。
もともと外へ出掛けるのが大好きだからとは思ったけれど、
数日経っても帰ってこなかった。
家族に聞くと誰もが見ていて、まるで挨拶に来たようだと言った。
そして結局そのまま猫は帰ってこなかった。
とても悲しかった。思い出すと今でもせつないけれど。
数年後、霊が見えるという友達が
「あんたの肩に白いモノが見えるよ」
と言ってくれた。
ああ、チロがちゃんと見ていてくれるんだなと思い、
その言葉がとても嬉しくて今でも信じている。
ちゃんと今でも忘れないからね。
あんたの後に来た猫は君以上にやんちゃで我が侭だけど、元気にやってるよ。
あんたの分まで長生きしてくれと思いつつ、今それは叶っているけどね。
私も最近ちょっとうれしいことがありました。
私が生まれる前から実家で飼っていた猫がいたのですが、彼女は私が11歳の時に約20年の猫生に幕を閉じました。
じゅうぶん生きて、寿命だったんだ、人間なら大往生だと家族は言い、家ではいつも彼女と一緒だった私も徐々に彼女のいない生活に慣れました。
中学生の時に彼女のことを作文に書き、朗読するときに感極まって泣いてしまい、自分でも驚いたことがありますが、ここ何年かは彼女のことを思い出すことも少なくなり、私が実家を離れたこともあって、思い出してもわざわざ家族と話すこともなくなっていました。
ところが今年に入ってから母親と彼女の話をすることが重なり、いろいろと思い出し、懐かしく話していたのですが、どうしても思い出せないことがありました。
彼女は朝の5時~5時半頃1階の廊下をぐるぐる歩いた後、犬で言えばちょうど遠吠えのように鳴く習慣がありました。
それはほとんど毎朝のことで、その鳴き声も何回も聞いていたのに、その鳴き声がどんなだったか、母親も思い出せずにいて、私もどうにかして思い出そうとしたのですが、やっぱり思い出せずにあきらめていました。
1週間ほど前の朝、私は起きているか夢を見ているかの境目のような状態でした。枕元の窓のすぐそばで、聞き覚えのある、懐かしい鳴き声がしました。
「ニャーオン、ニャーオン、ニャーオン、ニャーオン」と独特の節のある鳴き声。ああ、彼女の声だ、この鳴き方だ!と思い、そこではっきり目が覚めました。
鳴いていたのは近所の猫だったかもしれない、でも、うれしかった。近所の猫の声を借りて、彼女が自分の鳴き声を思い出させてくれたのかなと思って。
我が家もその昔、14年間、雑種犬を飼っていました。とっても頭の良いコでした。
私は大学時代、海外に単身留学していたのですが、卒業式だけは折角の晴れ舞台
だし…ということで、両親がお祝いに駆けつけてくれることになっていました。
ところが、間際になって、犬が臥せって、もう余命いくばもないとの連絡が。
「お母さんは犬が心配なので、日本に残るよ」という父の会社からの電話に
私も、卒業式よりも家族の一員の方が大事だから、と了承したのです。
ところが、その2日後再び父からの電話。
「犬、昨日死んじゃったよ。お母さんもそちらに卒業式を見に行くから」
後から聞いた話では、最後の数日は自力で起き上がることも出来ないほど衰弱して
いたにも関わらず、死期を悟った飼い犬は、夜中に自力で階段を上り、ドアを開け、
寝ていた兄の手に鼻面を押し付けて起こし、そして、家族皆に見守られながら、
息を引き取ったそうです。後で母がぽつりと「頭のいいコだったから、あなたの
卒業式のために気を遣って、急ぎ足で逝ってしまったのかな…」と言っていました。
でも私は結局海外で、死に目にも会えず、卒業後日本に帰って来ても、どうしても
犬の死を実感できなくて「悲しい」という気持ちを持て余していました。
何やら、ふんふんと押し付ける冷たい鼻面と、ぺろぺろ顎を舐める懐かしい感触が。
(あ、●●だ)と思い、嬉しくなって夢うつつのまま、生前は私が嫌がってさせて
やらなかった顔舐めを思う存分させ、布団にもそもそと潜り込んでくるその体を
抱えて、ぬくぬくと、そのまま眠りました。
願望が見せた夢だったのかもしれないけど、起きた後もその時の感覚は鮮明で、
体の匂いや温もりが確かだった分だけ「ああ、もうあのコはいないんだな」という
気持ちが湧いてきて、やっとその時、犬のために泣くことが出来たんです。
死に目にあえなかった私の為にも、ちゃんとお別れを言いに来てくれたのかな、と。
それから6年経って、我が家もそろそろ、また新しい犬を飼おうかと相談しています。
このコの印象がまだ強くて、なかなか次のコを決めかねてるのが現状ですが(笑)。
でもお母さん、寂しいのは分かるけど、もういい加減お骨、埋めてあげようね(苦笑)。
その数日後、寝ていた妹が、生まれて初めての金縛りに遭いました。
身動きできない彼女の横に近づいてくる小さな足音は
猫が、お布団の中に潜り込もうと近寄ってくる時のものだったそうです。
その後もしばらく、食卓から「とん」と飛び下りる音が聞こえたそうです。
未だに人間様のおかずを狙っているのか(^^;)
だったが、喧嘩だけは強く、餌をやっていた私には良く懐いていてくれた。
ピエールが十八になった頃、朝目が覚めるとカーテンもひいていない寝室の窓の外から
中を覗きこんでいるピエールの姿が見えた。私と目が合うと、そのままくるりと背を向け、
家の裏側の丘の斜面をゆっくりと上っていった。背筋をぴんとのばして。新緑の中。
「また狩りに出るのかな」と私は無邪気に思ったものだった。
だが、台所に行くと、床の上で毛布にくるまって死んでいるピエールの姿があった。前の
晩、喧嘩に負け、かなりぼろぼろの状態になったピエールが玄関前でぐったりしているのを
見つけて私が台所に連れて入ったのだった。朝一番で獣医に連れていってやることを心の中
で約束しながら。
十八なのでそれこそ大往生だが、今でも忘れない。窓の外のあの凛とした表情。あの最期の
瞬間だけは、ピエールがこの上なくハンサムで美しい猫に見えた。お別れを言いに来てくれた
ことが今でも嬉しくてならない。一緒に寝ていた主人のことは待っていてくれなかったから
(後でかなり落ち込んでいたが)。
引用元: ・◆◇心霊ちょっといい話◇◆
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>ああ、チロがちゃんと見ていてくれるんだなと思い
はじめなのかチロなのか