興味あるかな?
昔のことは、ややうろ覚えの部分もある。
細かな描写はある程度、想像の部分もあるけど勘弁。
あと謎が多く残る、誰か分かった人が居たら書いた後に教えて欲しい。
当時の俺は、仲の良い男の子と女の子が居て、学校の休み時間も放課後も常に3人で行動していた。仮に名前をA男とC菜としておく。
3人でふざけ合ったり喧嘩したり、まあ良く居る仲良し3人組みみたいな感じだった。
そんなある日、C菜は学校を休んだ。これは、おかしいと俺は咄嗟に思った、C菜は超が付くほどの健康優良児であり、今まで一度も学校を休んだことがなかったのだ。
A男「どーせ、夕食食い過ぎて腹でも壊したんじゃないのwwww」
俺「wwwwwwwww」
等と、俺達は殆ど気にも留めなかった。
放課後に見舞いに行こうか迷ったが、どうせ明日になればピンピンして学校に来るだろうと思って行かなかった。
しかし、翌日もC菜は学校を休んだ。
A男「今日は拾い食いでもしたんじゃね?www」
俺「wwwwwwwww」
A男は相変わらず笑い飛ばしていたが、俺は何か嫌な予感がしていた。
その予感は朝のホームルームで的中することになる。
先生「えー、先日から学校を休んでいるN(C菜)だが、実は先日から入院をしている」
俺「え?」
A男「は?」
俺達は二人揃ってポカーンだった。
先生の話を聞くと、どうやらC菜は登校前に自宅で急にぶっ倒れてそのまま救急車だったらしい。
その後、仲の良かった俺達二人が代表して、翌日の放課後に見舞いに行くことになった。
A男「うーん、腹痛にしては随分大掛かりだな、、、」
相変わらず軽口を叩いているA男であったが、俺は正直かなり不安で心配だった。
俺もC菜には負けるが、かなり身体は強い方であり、病院=ヤバイのイメージがあったからだ。
A男「まっ、明日からかいに行ってやろうぜ、とっとと学校来いってな」
俺「うん」
そして翌日、俺はA男と共に、C菜が入院している病院を訪れた
俺「恥ずかしいから、やめてくれよ、、、」
初の病院に興奮しているA男を尻目に、俺は受付でC菜の面会に来たことを伝える。
俺「すいません、C菜、、、えっとNさんの病室はどこですか」
受付嬢「はい、えーNさんの病室は、、203号室になりますね」
受付嬢から病室を聞き、俺達は病室へ向かった。
病室に足を踏み入れ、C菜を探す。
俺「んーーー、あっいたいた!おい!C菜!!」
C菜は病室の窓から外を眺めていた。
俺の声に気付き、こちらへと顔を向ける。
C菜「あっ!!」
A男「よう!!」
C菜は満面の笑みで俺達を迎えてくれた。
顔色は普段と変わり無く、元気そうに見える。
俺「元気そうだな」
C菜「もー大変だったよ!wでもちゃんと来てくれたんだね!」
A男「まあ、ちょっとからかってやろうと思ってなwwww」
俺「二人で拾い食いでもしたんじゃないかって話してたww」
C菜「何よそれーwww」
その後、くだらない話しで俺らは盛り上がり、気付けばあっという間に面会時間を過ぎていた。
A男「おう、またな、いつくらいに退院出来そうなんだ?」
C菜「何か大したことないって、お医者さんが言ってたからすぐだと思うよ」
俺「そうか、早く良くなって学校来いよ」
A男「またなー!」
C菜「うん!来てくれてありがとう!また学校でね!!」
そして病院の帰り道
俺「元気そうで良かったな」
A男「あいつは殺しても死なないだろwww頭に隕石でも落ちない限りwww」
俺「はははははwwww」
A男「早く学校来るといいな」
俺「だな」
C菜はまだ退院しなかった
俺「おいー、C菜まだ退院しないのかよー!」
A男「階段で足滑らせて退院が延びてるんじゃね?w」
俺「wwwwwww」
しかし、俺はこの時も漠然とだが、嫌な予感がしていた。
そして、4日、5日、6日、一週間が過ぎた
C菜は相変わらず学校に来なかった。
A男「んー、病院の医者に惚れちゃったとか!んーーー」
相変わらず冗談で濁しているA男だったが、流石に心配な様子だった。
俺「今日、学校終わったら会いに行ってみようか」
A男「そうだな、どーせくだらない理由だろ」
放課後、俺達は再びC菜の入院している病院へと向かった。
俺「おいー!C菜ー!」
C菜「あっ!来てくれたんだね!」
A男「おっすー」
相変わらず満面の笑みを振りまいているC菜だったが、心なしか顔色は悪く
目が濁っているように見えた。
A男「なげー休みだな!w」
俺「まだ退院出来そうにないのか?」
C菜「何か検査をするとか何とか言ってて良く分かんないんだよね」
C菜「失礼ね!w」
俺「まだ退院は先になりそうなのか?」
C菜「うん、でも検査が終わって大丈夫ならすぐに帰れるって!」
A男「そーかそーか、どうでもいいけど、とっとと学校来いよ」
C菜「うん!勿論!早く皆で遊びたいなー」
その後は前回と同様、くだらない話をしつつ、適当に病院を後にした。
A男「心配して損したよ!すげー元気そうじゃん!」
俺「うーん、でもちょっと痩せてたな」
A男「病院のメシが不味いんだろ、あいつ普段、お菓子もボリボリ食ってたしなww」
俺「でも、元気は元気そうだったし、そろそろ帰って来そうで良かったな」
A男「ああよ、休みの間アイツと遊べなかった分、色んな所連れ回してやろうぜ」
俺「いいね!そんでまたくっだらない事で喧嘩したりするんだよなww」
A男「あー早く学校に戻ってこねーかなあ」
俺達は、C菜が学校に戻ってきた時の未来予想図を描きながら、帰路へと着いた。
それから翌日は、C菜が学校に戻って来た時の事をA男と考えながら過ごした。やっぱり普段3人で居たせいか、2人だとイマイチパッとしない。
しかし、C菜は二週間経っても学校へと戻っては来なかった。
A男「、、、やっぱり頭に異常が、アイツすぐ怒り出すもんな」
相変わらずのA男だったが、心配はしているようだった。
面会に行こうか迷ったが、俺もA男もそれを言い出すことはなかった。
きっと、2人とも、もし残酷な現実を付きつけられたらどうしようと、無意識におびえていたんだと思う。
俺「おい、、、A男」
A男「ん?」
俺「いや、、、なんでもない」
A男「そうか、、、」
まさかな、、、あのC菜がな、、、
きっとそのうち
いやー!遅くなってごめーん!とか言って学校にやって来るさ、うん、きっとそうさ。
俺もA男も漠然とした不安を抱えながら、日々を過ごしていき
遂には一ヶ月とちょっとが過ぎた
A男「うん」
俺「今日さ、C菜の面会に行こうと思うんだ、一緒に行こうぜ」
A男「俺も今日、誘おうと思ってたんだ」
俺達は、ついに行動に移した。例えようのない不安を抱えながら、C菜の病院へと向かう。
受付嬢「はい、えっと506号室ですね」
俺「え?あ、はい」
何故だか知らないが病室が変わっており、俺とA男は5階へと向かう。
病室の入り口へと着くと、表札の札にはC菜の名前しか無かった。どうやら一人部屋らしい。
病室に入ると、カーテンが掛かっており、イスには一人のおばさんが座っていた。
ああ、すまん、そこは適当だ
A男「あ、ほんとだ」
C菜の母親とは数回しか会ったことはないが、俺達のことは覚えていてくれたらしい。こっちを振り向いて、声を掛けてくれた。
C菜母「ああ、俺君とA男君、C菜に会いに来てくれたのね」
C菜の母親は、かなりやつれており、目の下にも大きなクマが出来ていた。
俺「はい、C菜いますか?」
C菜母「ええ、C菜、お友達が来てくれたわよ」
そういってC菜の母親は、カーテンをめくった。
そこにC菜は横になっていたのだが、俺達は、あまりの異様さにギョッとした。
C菜「あ、、、来てくれたんだ」
俺「・・・・・・・・」
あまりの異様さに俺は声が出なかった。
A男「お、おう!な、なんかすげー痩せちまったな!」
C菜「うん、好きなものとかも食べられないんだよね」
A男「ま、まあ学校に戻って来たら、また駄菓子たらふく食おうぜ、な、な、、、」
やはりと言うか、流石のA男もあまりの異様さにたじろいでいる様子だ。
その後は、学校でどうだったーとか、最近のテレビだどうだーとか、話をしたが、よく覚えていない。
この時点で涙腺ゆるんできたぜ
黙って横で話しを聞いていたC菜の母親が口を開いた。
C菜母「皆の写真を撮って良いかしら」
俺「はい、良いですけど」
A男「ええ」
何故このタイミングで写真?と思ったが素直に従うことにした。
C菜母「じゃあ撮るわね、はい、チーズ!!」
皆で一斉にピースサインをした瞬間、シャッターが切られた。
C菜母「じゃあ、現像出来たらみんなに渡すわね、C菜、お母さん用事があるから、また明日来るわね、二人とも来てくれてありがとう」
ああ・・・先に言っておく・・・感動系の話じゃないんだ
しかし、C菜の雰囲気のせいか、これ以上話ても会話が盛り上がらないことは明白だったので
俺達は暇をすることにした。
俺「じゃあ、俺達も行くね」
A男「ああ、またな」
C菜「あ!待って!!」
俺「ん?」
C菜「ずっと、、、一緒に居てくれるよね?」
俺「勿論だろ、俺らは友達だぜ」
A男「だな、退院したら色んなトコ遊びに行こうぜ!!」
C菜「うん、ありがとう!絶対だよ!!」
C奈は顔中で喜びを表していた。
朝のホームルームの時間。
先生「大変、悲しいお知らせがあります、C菜さんが亡くなりました」
俺&A男「!!!」
C菜が死んだ、、、言葉の意味は分かっていても、頭が追いつかない。
あんな姿になっていても、やはり心の中では、また学校に戻って来るという希望があったのだろう。
先生「先生もとても悲しい、悲しくて悲しくて仕方が無い」
嗚咽を漏らしながら、話し続ける先生。
クラスの皆も泣いていた。しかしなぜか、俺は涙は出なかった。
その後のことは、あまり覚えていないが、俺とA男はC菜の葬儀に参列することになった。
大人の見様見真似で焼香を済ませ、C菜の母親に挨拶をした。
C菜母「本当に、、、俺君とA男君にはC菜がお世話になったわね」
俺「いえ、、、そんな」
A男「・・・・・・・」
C菜母「そうそう、これ、病院で撮った写真ね」
C菜の母親は喪服の間から、二枚の写真を取り出した。
C菜母「どうか、これを持ってC菜の分まで生きて頂戴」
俺はそれを受け取った瞬間に、涙が溢れ出た
俺「ウェッ・・・ひっくひっく」
A男「・・・・うぅ」
A男も少しだけだが泣いていた。
俺もA男も写真をしまい、葬儀場を後にした。
それでも徐々に日常を取り戻し、俺もA男も二ヶ月が経つ頃には新しい友人も増えて、普段通りの生活を送れるようになっていた。
そんなある日、俺は恐ろしい夢を見た。
覚えてない、すまん
歩けているのか、歩けて居ないのか分からない状況だったが、俺は先に進んだ。
そこうしているうちに、後ろに気配を感じた。
振り返ると、頭を下げて俯いた少女が、かなり俺の近くに立っていた。
あれ?C菜!!C菜じゃないか!!
特徴のあるくせっ毛に、いつも履いていた靴。
間違いない、C菜だ。
C菜と思われる少女がゆっくりと顔を上げた。
俺「!!!!!!!!」
俺は一瞬にして鳥肌が立った。
そこに居た少女は間違いなくC菜だった、しかし
本来あるはずのもの、目がなかったのだ。
更には、口も歯と舌が無く、ぽっかりとした空間が広がっているだけだった。
俺「あ、、、あ、、、」
あまりの異様さに身体が全く動かない、逃げ出したいのに、金縛りにあっているのか身体が全く言うことを聞かないのだ。
C菜「・・・・・・・・・・」
C菜が口を開き、何かを言っているが、全く聞き取れない。
俺「何を・・・言ってるんだ」
ひとしきり、C菜が何かを言い終えた後、おもむろに俺の腕を掴んできた。
びっくりするほど冷たかった、夢なのにその冷たさが分かった。
C菜「・・・・・・・・・・」
C菜は無言で俺をどこかへ連れて行こうとする、俺は必死に抵抗した。
俺「やめろ!!!」
必死の抵抗のせいか、C菜は諦めたのか、俺の腕を離した。
俺「はあ、、、はあ、、、はあ」
C菜「・・・・・・・・・」
俺「!!!!!!!」
C菜は笑っていた、眼球と口の無い顔で、ニヤリと。
その瞬間、目が覚めた。
母親は優しくなだめてくれた、きっと友人が死んだショックがまだ抜けてないと思ったんだろう。
その後は一睡もすることが出来ず、学校へと行った。
A男「ああ、、、」
勿論俺に元気などあるはずもないが、なんだかA男も元気が無いように見えた。
俺「何か元気ないな、どうした?」
A男「・・・・・・」
普段から元気ハツラツのA男、これは明らかに様子がおかしい。
A男「夢を・・・見たんだ・・・C菜の夢を」
俺「え、、、?」
その事実をA男に告げると、A男はみるみる青ざめていった。
A男「どういうことだよ!これ!」
俺「お、俺に聞かれても分からないよ!!」
意味が分からず、パニックになる二人。しかし、かと言ってどうすることも出来ない。
俺もA男も無理やりに偶然と決めつけ、この問題を頭から消し去ろうとした。
二人で同じ夢を見るなんて偶然、あり得るはずがないのに。
全身が汗だくになって、飛び起き、また母親に泣き付いた。
やはり母親は優しくなだめてくれたが、俺の気持ちが治まるはずがない。
俺「何なんだよ・・・何なんだよ!!一体!!!」
翌日も満身創痍の状態で学校へ行ったが、A男は学校に居なかった。
何を言ってるのか分からない授業を聞き、急いで家へと帰宅。
家へ帰ってからは、何をするでもなくぼーっと過ごした
二日連続で同じ夢を見たのだ、三日連続も考えられる。
俺「どうしよう・・・どうすれば良いんだろう・・・・・・・そうだ!!!」
ふっと、俺の中で何かが閃いた。
俺「お母さんと一緒に寝れば良いんだ!」
当時の俺は、かなりのマザコンであり、何かあったらすぐに母親に泣き付いていた。
また恐ろしい夢を見ても、きっと母親が何とかしてくれる!そう信じて疑わなかった。
俺「おかあさん」
母「ん?」
俺「今日一緒に寝よう」
母「いいわよ」
心の中で俺はガッツポーズを取った。
これなら大丈夫だろうと、俺は何一つ心配していなかった。
しかし、その晩、俺は再び夢を見た。
全く同じ内容、全く同じ悪夢。
唯一違ったのは、起きた部屋が一緒に母親と寝た部屋ではなく自分の部屋だったのだ。
俺は全速力で母親の部屋へと向かった。
母親は寝ていた、何事も無かったかのように。
再び叩き起こして、詳細を尋ねる。
俺「おかーさん!!なんで寝ている間に僕の部屋に帰したの」
母「はあ?」
寝ぼけ眼で母親が答える。
俺「僕が寝ている間に、僕の部屋まで連れていったでしょ!ひどいよ!!」
母「何を言ってるの?いきなり夜中に起きて、自分で部屋に戻ったんじゃない」
俺「え・・・」
母「声を掛けても何も答えないし、寝ぼけてたんじゃないの?」
俺「・・・・・・」
俺「なんで・・・なんで」
こんな状況で再び眠れるはずもなく、俺はその後は一睡もせずに学校へ向かった。
授業なんて適当に聞き、放課後、A男の傍へ行った。
俺「ああ・・・」
A男「昨日、体調悪くて休んだんだけどさ・・・」
俺「うん」
A男「あれから二日続けて見るんだ・・・C菜の夢を」
俺「え?A男もか・・・?」
A男「え、じゃあお前も?」
俺「ああ」
A男「・・・・・・」
どうすれば良いのか、俺達は頭を抱えた。
>>1はあちらに連れて行かれそうにになったと言うことか・・
まぁ、何にせよそ行かないという行動は正しい
cちゃんは寂しいから引きずり込もうとしたんだよ
墓参りに行くと良いよ
A男「え?」
俺「夢の中で、C菜は何か言ってるだろ?」
A男「ああ、でも何を言ってるか分からないんだ」
俺「口の動きからして・・・」
俺は必死に夢の中のC菜が、どう口を動かしていたかを思い出す。
さ む さ い さ し い きて
さ い む い みし きて
A男「何か分かったか?」
俺「寒い・・・寂しい・・・来て」
A男「・・・・・・」
俺「俺達を連れて行こうと・・・?」
死者であるC菜が俺達を連れて行こうとしている・・・
考えるだけで、鳥肌が立った。
俺「そういえば写真」
A男「え?」
俺「俺とA男とC菜で撮った写真だよ」
A男「ああ、それがどうしたんだ?」
俺「ちょっと見てみよう」
A男「手がかりを探すってことか?」
俺「うん、もしかしたら何か分かるかもしれない」
俺は常日頃から、その写真を持ち歩いていた。
リュックから取り出し、覗きこむ。
A男「どうしたんだ?・・・・・・!!!!!!!!!」
絶句する俺、その様子を見て写真を見たA男も絶句する。
C菜の母親に向けてピースサインをする俺とA男、そして真ん中のC菜
しかしC菜には、眼球がなかったのだ。そう、夢と全く同じ。
A男が俺から写真をひったくって、ビリビリに破いた
俺「お、おい!!何をするんだ!!!」
A男「はぁはぁはぁ・・・・」
A男「なんなんだよこれ!!わけわかんねえよ!!」
俺「あああ・・・」
次々と起こる怪奇な現象、俺達は完全に発狂寸前だった。
俺&A男「うわっ!」
突然背後から話しかけられて、俺は面食らった。
振り向いてみると、クラスメートのD子だった。
D子は典型的な根暗なクラスメートで、友達は全くおらず
休み時間は、皆と話さずにどこかへと消えている、そんな女子だった。
D子「その・・・恐ろしい念を感じたの」
俺「は?」
D子「それ」
D子がびりびりに破いた写真を指差す
俺「・・・何か分かるのか?」
D子「もうすぐ・・・こっちに来るよ」
来るってまさか、俺達を連れに来るってことか・・・?
A男「何でなんだよ!俺らはC菜と親友だったんだぞ!」
D子「その子、地獄に行ったの」
俺「じゃ、じゃあどうすれば良いんだ!?」
D子「どうにもできないよ」
俺&A男「え・・・」
D子「誰かを引きずり込みたい念が強すぎて、どうしようもないよ」
もう現実世界にC菜が現れて、俺達を連れて行くのを待つしかないのか・・・。
D子「これ・・・」
D子が何かをポケットから取り出し、俺達に手渡した。
俺「何だ・・・これ?」
渡されたのは、小さな小さなお守りだった。
D子「こんなんじゃ防げないと思うけど」
俺「あ、ありがとう」
A男「・・・・・・・」
D子「あまりにも恐ろしい念なの、多分これじゃ限界が来ると思う」
そう言い残して、D子は教室を出て行った。
俺「何だったんだろう」
A男「さあ・・・」
突然現れて俺達にお守りを渡したD子、そのお守りも、俺の掌の3分の1程度の大きさだった。
A男「こんなんで防げるのかよ・・・」
俺「分からない、でも信じるしかないよ」
藁にもすがる思いだったが、俺はその効力を信じて枕下にお守りを置いて寝た。
しかし、その日、俺は夢を見てしまった。
気が付いた時には、既にC菜が目の前に居て、俺を見据えていた。
眼球が無いので、表情は伺い知れないが、明らかに今までとは雰囲気が違う。
C菜「・・・・・・」
C菜が何かを言っている
C菜「・・・ない」
C菜「ゆるさな、い」
俺「!!!!!!!!!!」
その瞬間、俺は夢から覚めた。
ふ、と枕もとのお守りに目をやると、お守りに小さなひっかき傷のようなものが出来ていた。
それ以来、小学生の間、C菜が俺の夢に出てくることはなかった。
もちろん、外泊をする際は、お守りを持ち出していたことは言うまでもない。
こんな駄文に興味がある人がいたら書く。
A男とは疎遠となり、D子は小学校5年の時に何処かに引っ越していった。
高校生活も、初めて彼女が出来たり、初めてをするなど、中々に充実した生活を送っていた。
そんな生活に陰りが見えたのは高校2年生の春。
俺「は?何それ」
彼女「夢でね、加奈子さんっていう女の子が現れて、死者の世界に連れて行こうとするの。寂しい寂しいって言いながら手を引っ張って来るんだって。」
俺「ふーん」
彼女「その子ね、目と歯が無くて、真っ黒な空洞なんだって!」
俺「う・・・」
一瞬、まさかC菜のことかと思ったが、C菜は加奈子なんていう名前ではない
彼女「で、それを拒否し続けると、こっちの世界にやって来て直接連れて行こうとするんだって!」
俺「くだらない話だな」
彼女「あ、信じてないでしょ!」
俺「よくある単なる噂でしょ」
どうせ、どこにでもある都市伝説の一つだろう、気にも留めなかった。
友人A「なあ、俺、加奈子さんの夢見ちまったんだ・・・」
俺「は?」
聞いてみると、俺が前に彼女に聞いた加奈子さんの夢を友人が見てしまったらしい。
俺「気にすんなって、どうせ怖い話し聞いちまったから夢で出てきただけだよ」
この友人Aは凄く良い奴なんだが、かなりのビビリなのだ。
友人A「そ、そうかな」
俺「そうだって、あんまり深く考えるなよ」
友人「そうか・・・」
しかし、本当のことを言えば、俺は妙に引っかかりを感じていた。
小学生以来、何年も見ていない夢、それとそっくりな内容の夢が噂になっている。
真実かは分からないが、友人は実際に見てしまったとまで言っている。
俺「そうだ!お守り!!」
俺は常に枕下に入れておいたお守りを確認した。
俺「・・・・・え?」
お守りは確かにそこにあった。しかし、既にお守りの体は成していなかった。
お守りは、引きちぎったように二つにされており、赤い液体が付着していた。
俺は、顔面が真っ青になりお守りを放り投げた。
俺「ど・・・どうして」
その日は一睡も出来なかった。
そして学校の休み時間
俺は昨晩のショックが抜け切らず、頭を抱えていた。
どうしてお守りがあんなことに?
中学の時は何事も無かったのに何で?
もしかして加奈子さんの噂と関連があるのか?
疑問は尽きない。
クラスメートB「知ってる知ってる!」
俺は一瞬ビクッとなったが、クラスメートの会話に耳を傾けた。
クラスメートA「連れていかれるって噂だけど、B組のAさんは夢を見たって言ったっきり学校に来てないんだって!」
クラスメートB「こわーい!!」
俺「俺にもその話し、聞かせてくれないか」
クラスメートA「えっ」
突然の俺の登場に面食らった様子だったが、聞かない手はない。
クラスメートA「でも俺君ってそういうの信じないんじゃなかったっけ?」
俺「うん、でもまあ、ちょっと気になって」
クラスメート「ふーん、まあ良いけど」
こうして俺は、加奈子さんの噂の内容を聞いた。要約するとこうだ。
2、噂を聞いた人の夢に現れる
3、中学生か高校生くらいの女の子
4、長髪黒髪でチェックのシャツにスカートを履いている
5、眼球が無く、真っ黒であり、歯も舌もない
6、手を引っ張って連れて行こうとする
7、何日も夢を見ると、現実に現れて連れに来る
俺は違和感を感じた。
俺が見ていた夢と比較してみてどうだろうか。
5、6は正に俺の見ていた夢と合致する。
しかし、1、2、3、4が不可解だ。
仮に加奈子さんの夢が俺の見ていた夢と同じだとしても
あくまでC菜は俺とA男を連れて行きたいのであって、他人の夢に現れる意味が分からない。
そして、中学生くらいの女の子・・・C菜が亡くなった時は小学校4年生だ、中学生、ましてや高校生と見間違える可能性は低い。
うーん、考えれば考えるほど分からなくなる。
俺の頭の中は「?」マークだらけだった。
俺は率直に尋ねてみた。
クラスメート「知らない、夢に出てくる女の子が加奈子さんっていうんじゃないの?」
俺「うーん」
目と舌と歯が無くて、手を引っ張って行く少女・・・これは偶然の一致なのか?
更には、引きちぎられたお守り・・・。
ダメだ、考えれば考えるほど分からなくなる。
様々な疑問を抱えたまま、俺は帰路に着いた。
その日、お守りが無くなったことにより、夢を見てしまうのではないかと危惧したが
夢を見ることはなかった。
C菜の夢を見ることもなく、平和だった。
しかし、相変わらず加奈子さんの噂は続いていたが・・・。
そんなある日を境に、友人Aが学校に来なくなった。
まさか・・・とは思ったが、さしたる証拠も無いのに安易な考えは出来ない。
そんな心配を他所に、クラスメート達は勝手に噂をしている。
クラスメートB「夢を見たって言ってたもんねー」
クラスメート達の無神経さに軽い苛立ちを覚えたが、確かに友人Aのことは気になる。
俺「調べてみるか」
俺「なあ、最近Aを見ないけど風邪か何かか?」
クラスメートC「俺も分からねえ、メールの返事も無いし電話しても出ないんだよ」
俺「そうか、ありがとう」
俺「先生、最近Aって何で休んでるんですか?」
先生「んー家庭の事情だ」
俺「家庭の事情?」
先生「ああ、落ち着いたら来るんじゃないか」
俺「そうですか」
そう言いつつも、俺は何か釈然としない気持ちを抱えていた。
何でここまでしているのか俺にも良く分からない。
でも、やはりあの噂はあまりにも気になる。
翌日、俺はクラスメートに住所を教えて貰い、放課後の時間を使ってAの家までやって来た。
Aの家はさほど学校から離れておらず、ごく普通の住宅街にあった。
一軒家だったが、かなり古い作りで、所々がひび割れている。
俺「A、居るかな、居たとしても何を話せば良いんだろうか」
突然押しかけてきて、迷惑だよなあ・・・
そう思いながら、玄関のチャイムを押す。
・・・
返事がない。
俺「留守かな」
その後何度も押しても、誰かが出てくることはなかった。
ふ、と家を見上げてみる。
俺「ん?」
窓際の所、女性が立っている。
あんなにチャイム鳴らしたのに何で出ないんだろうか。
ずっと窓際を見ていると、女性がこっちを向いた。
曇りガラスのせいでぼやけて見えないが、面と面で向き合った瞬間、なんとも言えない寒気がした。
俺「え?」
俺と目が合った後、女性はなぜか、腕を伸ばし、顔と腕をガラスに張り付けた。
掌と腕を、べったりと。
あまりの不気味さに、俺は聞こえるはずもないのに声を出して、逃げるように去った。
何なんだよアレ・・・おっかねえ。
Aの姉か妹だろうか?何であんなに鳴らしたのに出てくれなかったんだろうか。
尤も、あんな不気味な人が出てこられても困るが・・・。
俺「なあ、Aって姉か妹っていたっけ?」
クラスメートC「いやーアイツは一人っ子のはずだぞ」
俺「そ、そうか」
まあ、母親という可能性も0ではないが・・・
そこから何日も経過したが、相変わらずAは学校に登校して来なかった。
ちょっと小腹が減っていた俺は、コンビニまで自転車で走ることにした。
時間的には結構な夜中だったが、コンビニまですぐだし、気にしないことにした。
そんな中、コンビニへ向けて軽快に自転車を走らせている最中、後ろから大声で呼び止められた。
俺「え?」
振り向いて見ると、自転車に乗っている警官だ。
俺は立ち止まり、警官が近づいてくるのを待った。
警官はかなり、怒った顔をしている。
やっば・・・、夜中に出たから怒られるのかな
自分の後ろが気になる・・・
俺「え?」
警官「後ろの子は・・・あれ?」
俺「俺、二人乗りなんてしてないっすよ」
警官「そんなはずはないだろう?女の子が後ろからしがみ付いているのが見えたぞ」
警官「み、見間違いか・・・いや、しかし確かに」
警官はブツブツ言っていたが、俺は気が気ではなかった。
警官「と、とりあえず夜中の外出は控えるように!」
その後、軽く小言を言われて俺は家に帰された。
きっと、俺を怖がらせて夜中の外出をさせないようにしたんだろうな!
きっとそうだ!
・・・・・・
俺の心は全く晴れなかった。
俺の中で何かが、ヤバイ、と警告していたのだ。
確実に俺の周囲で何かが起きている。
また明日の夜書くってことで良いかな?
待ってるべ
なるべく早く書けるようにするよ、また夜中かもしれないけど
まだ興味を持ってくれてる人がいたら保守してくれてたら嬉しい
ちょっと気になったんだけど、お守りはずっと枕の下に入れてたの?
中学時代から?
その間一度も確かめなかったのか?
それとも数日の間に変質したってことかな
拙い文なのに読んでくれてありがとう
釣りと言ってる人も読んでくれてありがとう
またすぐ出なければならないので、続きは23時頃になります
では、また後ほど
>>171
文にも書いたけど、外泊する際は持ち出してたから確認はしてた
でも、しばらく夢を見ていなかったから、細かく確認はしていなかった
だいぶ飛んでしまっていますが、>>113からの続きとなります。
不可解な現象、もはや怪異と呼べるような内容が立て続けに起きている。
そしてAについてだ。
これはもう、何かしらの事態がAに起こったと考えるのが妥当だろう。
仮に家庭の事情だとしても、友人達にメールの一つも寄越さないのは異常だ。
それに、あの異様な家・・・。
俺「うわっ!!な、なんだ○○か」
彼女「えへへー、驚かせちゃった?」
突然の登場に面食らったが、そこには彼女が立っていた。
俺が机に向かってブツブツ言ってるのをずっと観察してたらしい。
なんという悪趣味な・・・。
俺は彼女に協力して貰うことにした。
彼女「んー?」
俺「加奈子さんの噂って前に○○が教えてくれたよな、それについて詳しく知ってる人を探して欲しいんだ」
彼女「えー、何で?全然興味無さそうだったのに」
俺「ん、まあ、ちょっと色々とな」
彼女「いいよー!探しておくね」
俺「サンキュー」
彼女は顔がかなり広い。これで新しい情報も入ってくるかもしれない。
翌日から、クラスメートを含め、様々な人に噂について聞いたが、芳しい結果は得られなかった。
校内の知人という知人に話を聞いたが、噂は聞いたことがある、という程度の情報しか得られなかった。
〜組の○○さんが居なくなったとか、○○さんが夢を見たらしい、等は聞けたが
あまりにも信憑性に欠ける。
オカルト研究会に所属しているらしい。
自分の高校のオカルト研究会は訳の分からん新聞や冊子を作っていて
あまり近寄りたくないイメージだったが、背に腹には変えられないだろう。
しかも他校かよ・・・まあ仕方ないか。
翌日、俺は放課後にD男の高校を訪ねた。
D男の高校は自分の高校からさほど離れておらず、電車ですぐの所だった。
俺「・・・・・・」
校門を前にして、俺は息を飲んだ。
なんというデカイ高校だ・・・。
うちの高校とは比較にならないほどの大きさ。
D男の高校は私服可なので、変に怪しまれることなく入れた。
俺「サークル棟みたいなのあるかな?」
場所がサッパリ分からなかったので、近くにいた学生を捕まえて聞いてみた。
俺「あの、オカルト研究会ってどっちですか?」
学生「あっちだけど・・・、あんなのに入りたいの?」
俺「え?」
学生「やめたほうがいいよ、変なのばっかりだから」
俺「はあ・・・」
流石に偏見が過ぎると思うのだが・・・、とりあえず教えられた方向へと向かう。
オカルト研究会と書かれた札を見つけ、俺は中に入る。
俺「あのー、D男さん居ますか?」
???「ん?」
部室には一人しかおらず、中に居たモヤシのような男が返事をした。
いかにもオタクという感じ。
俺「え、いや、違うんです、○○の紹介で来ました」
D男「ああ!話は聞いてるよ!何でも面白い話があるんだって?」
あまり面白がられても困るのだが・・・。
D男はうんうん、と頷きながら話を聞いていた。
ひとしきり話終えた後、D男が口を開いた。
D男「実に興味深い話だね」
俺「はぁ、そうっすか」
D男「あくまで私の推測になるが、加奈子さんは実在の人物の可能性もある」
加奈子さんが実在の人物とは・・・どういうことだろう。
D男「では、順番に私が思ったことを話していこう。・・・そっくりな話にカシマさん、ヒキコさんという話があるんだが知っているかい?」
俺「いや、知らないです」
D男「これらの都市伝説は仮死魔霊子、森姫紀子っていうのが登場人物なんだ、加奈子さんと比べてみて何かに気付かないかい?」
俺は考えてみた。
俺「何だか、加奈子さんの方が実際に居そうな名前ですね」
D男「そう、その通り、勿論理由はそれだけではないが、それは後に話そう・・・あ、座って聞いてくれ」
D男は俺にイスを促した。俺はイスに座り、話の続きを聞くことにする。
特にD男との会話は
重要な部分は押さえてあるけど、昔のことでうろ覚えな部分が多い
ご勘弁ください
俺「と、言うと?」
D男「噂とは常に変遷していくもの、加奈子さんっていうタイトルじゃ、いまいちインパクトがないだろう?つまりは誰かが改変する前の可能性がある。そして、私はこの噂のある点に注目している。」
俺「ある点とは?」
D男「対処法だよ」
俺「対処法?」
俺「はあ・・・」
D男「つまり、こういうことだ」
俺が理解していないのを察したのか、D男は紙とペンを使って説明してくれた。
噂はやがて形作られ、仮の完成を持って外部へと広がって行く。そして外の世界へと旅立った噂は、想像力豊かな人達によって、改変されていく。最後に噂の完成だ。」
俺「うんうん」
D男「ここで注目すべきは、いつ対処法が作られるかだ、もし君が極度の恐怖症だったとしよう、噂を聞いてしまったらどうする?」
俺「うーん・・・どうすれば助かるのかを聞きますね」
そこで、必ず優位に立ちたがる人が出てくる。これも人の心理だな」
俺「心理?」
D男「他人より目立ちたい、という欲求を持っている人間は多い。対処法が何も無い所に、対処法を知っているという人がいれば、耳を傾けるだろう?」
俺「確かに」
先ほどにも述べた通り、こういった恐怖系が苦手な人も多いし、目立ちたいという欲求を持っている人は非常に多い・・・つまり」
俺「対処方が確立されていない・・・と、言うことは加奈子さんの噂が出来たのは最近の可能性が高いと?」
D男「素晴らしいね!!オカ研に入らないかい?他校でも君なら大歓迎だよ!」
俺「結構です」
俺はD男の勧誘を軽くいなし、疑問に思っていたことを聞いてみた。
D男「長髪黒髪でチェックのシャツにスカート、私はこの部分に注目したんだよ」
俺「と、言うと?」
D男「君は何も違和感を感じなかったのかい?」
俺「うーん」
俺はしばらく考えた後、率直な感想を言ってみた。
D男「そうだ、恐怖を煽る都市伝説にしては、明らかに浮いている部分に思える。
そして、未完成の都市伝説にも関わらず、この部分だけが妙に細かい。勿論、この部分は噂が外部へと行けば淘汰される部分だろう」
俺「うんうん」
D男「他の部分とは違い、恐怖を煽る役割を果たしていない、そして未完成な初期の噂であり、それでも不自然なほどの細かさ。
つまりは、長髪黒髪でチャックのシャツにスカート、この部分は現実にある事柄を表していると考えられる。
更には加奈子さんというリアリティのある名前も含め、現実にモデルが居ると考えられるのが自然だ」
俺「なるほど・・・」
伊達にオカ研ではないと言うことか、D男の理論は納得出来る。
D男「それならば大体、察しは付いている」
俺「え?本当ですか?」
自身満々に言い張るD男に、俺は驚きを隠せない。
D男「君の学校だよ」
俺「俺の学校?」
それに、類似するタイプの都市伝説と比べて、細部の構成が出来ていない。
それでも、未完成のまま君の学校では広まっている。つまり・・・」
D男は大きくもったいぶってから言い放った。
D男「加奈子さんは実在のモデルが居る可能性が高い、噂が出来たのは最近、そして出処は君の学校だ」
俺「おお・・・」
俺はD男の理詰めに完全に圧倒されていた。
加奈子さんと言う人物が居ないか、そして最近何か起きたことはないか、これらも合わせて探っていこう。
俺は、丁重にD男に礼を述べ、部室を後にした。
しかし、これは難しい話で、一つ一つのクラスを回る訳にもいかないし
居たとしても、「可南子や香夏子」であったり一致する名前は居なかった。
そんな最中、怪奇が起きてしまった。
用を足し、部屋へ戻った俺は異変に気付いた。
俺「寒い・・・」
部屋を出る前と比べて、明らかに室温が下がっている。
その日は温かい日だったのに、この部屋だけが隔絶されたかのように寒い。
気にはなるものの、布団へと潜り込む俺。
しかし、何気なく窓の方へ目をやった瞬間、俺は戦慄した。
窓に・・・Aの家で見た女が張り付いている。
声が出ない、金縛りにあったように体も動かない。
バン!!!!!!
バン!!!!!!
バン!!!!!!
俺「!!!!!!!!」
女が狂ったように窓を叩き始めた
バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!
バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!
バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!
バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!
バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!
バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!
バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!バン!!!!!!
目を閉じ、心の中で必死に念じる。
バン・・・!
バン・・・!
・・・
俺の願いが通じたのかどうか、音がしなくなり、目を明けると女は居なくなっていた。
俺はあまりの恐ろしさに、頭から布団を被り、朝まで震えていた。
ちげぇwwwww
俺「何か分かったことはない?」
彼女「うーん、特に無いなあ、あーそういえば」
俺「ん?」
彼女「あたしも見たんだよね、加奈子さんの夢」
彼女「そんな心配しなくても大丈夫だって!」
俺「・・・・・・」
彼女は楽観的だが、俺は焦った。
そんな最中、彼女がついに、噂を詳しく知っている人を探し出してくれた。
彼女「卒業生の人で、噂について詳しく知ってる人が居るらしいよ」
俺は、彼女に頼み込み、当事者とアポを取る事に成功した。
指定されたのは、学校近くの喫茶店。午後5時。
中へと入り、教えられた席を探す。
客は殆ど居なかった。
俺「右奥のソファー席・・・あ、あれか」
席へと座り、待ち人が来るのを待つ。
時間が10分、20分と経って行く
もしかして、すっぽかされたか?
そんな疑念も沸き始めた時
???「お待たせしました」
声を掛けられ、振り向くと、そこには一人の男が立っていた。
???「噂を詳しく知りたい、というのはあなたですか?」
俺「はい、えっと○○と申します」
???「E男です」
男は俺の向かい側へ座りった。
中肉中背、大人っぽく、顔立ちは整っているのだが、暗い表情をしていた。
俺「あの、噂を詳しく知っていると聞いたのですが」
E男「加奈子は・・・俺の彼女です」
想定外の言葉に、俺は驚きを隠せない
E男「彼女だった・・・というのが正確な言葉だけど」
俺「あの・・・その、失礼ですが」
別れたのか?と聞こうとしたが、流石に聞けなかった
E男「いや、居なくなったんだよ、急に」
俺「居なくなった?」
E男「うん、数ヶ月前に、忽然と」
電話をしても全く通じず、住んでいた寮へ行って管理人に聞いても、ずっと帰って来て居ないとしか聞かされなかったらしい。
E男「これを、見て欲しい」
E男がカバンの中から取り出したのは、一冊の日記だった。
E男「加奈子の日記です、中を見てください」
人の日記を見るのは、ちょっと躊躇ったが、俺は読んでみることにした。
あー!もう暇!!
しかも盲腸で入院とか本当にツイてないよね・・・
あまりに暇だから、これから日記を書くことにする!!
どうやら、加奈子さんは盲腸で入院している際に、この日記を書き記したらしい。
今日、男の子と仲良くなったんだ!!
笑顔がとっても素敵な男の子!!
でも、名前を聞いても、歳を聞いても、「知らない」って言うの。
何だか変な子ね。
だから勝手に、○○ちゃんと呼ぶことにしたの!!
○○ちゃんは、自分からは喋ることが無い子。
でも、いつも寂しい、寂しいって言ってる。
お母さんとお父さんがお見舞いに来てくれるトコも見たことがない。
可愛そうに。
「お姉ちゃん一緒に居てくれる?」って聞いて来るから
「もちろんだよ!」と答えた。
○○ちゃんは嬉しそうだった。
病院のご飯がまずい、とか、Eがお見舞いに来たとか、手術怖かった、とか。
そんな日記も、退院の日が書き記されていた。
○月○日
今日で退院!退屈な入院生活ともオサラバ!!
最後に○○ちゃんに会いたかったけど、会えなかったな。
そういえば、あの子がいつも来るから、何号室に入院してたのかも知らないままだったな。
早く、退院出来ると良いけど。
そこから先は、退院した後の生活が記されている。
何だかすっごく怖い夢を見た。
目がない○○ちゃんが、私を連れて行こうとする夢だ。
寂しい、寂しい、って言いながら私を引っ張っていこうとする。
怖いなー。
毎日、○○ちゃんの夢を見る。
怖い。
○月○日
寝るのが怖い、また○○ちゃんが夢に出てくる。
○月○日
鏡の前に○○ちゃんが居た。
○月○日
どこへ行っても、○○ちゃんが付いてくる。
助けて。
日記はそこで途切れていた。
読み終えた俺は絶句していた、言葉に表せない。
俺「・・・何故、その、加奈子さんが夢に?」
俺は思っていた疑問を口に出した。
E男「分からない、でも俺も夢を見たんだよ」
俺「E男さんもですか?」
E男「ああ、既に現実に加奈子が現れている」
俺「じ、実は俺もなんです!!」
俺は今まであったことを洗いざらい話した。Aのこと、現実に現れた加奈子さんらしき人のこと。
俺「どうにか止める方法は無いのでしょうか?」
E男「・・・・・・」
E男「もう、終わるよ」
俺「え?」
E男「・・・・・・」
そう言って席を立ったE男を俺は引き止める。
俺「待って下さい!」
E男「止めなくていい、それと・・・」
俺「え?」
E男「夢を見ていない君が何で・・・そこだけが分からない」
その言葉を残し、E男は俺の分の金も置き、去って行った。
残された俺はしばらく、呆然としていた。
それからと言うものの、俺の前に加奈子さんらしき人が現れることはなくなった。
加奈子さんの噂は下火になり、しばらく経つと、誰も話さなくなった。
Aはそれでも登校して来ることはなく、E男とは彼女を通しても連絡が取れなくなってしまった。
音信不通になってしまったらしい。
引用元: ・幼少から続いてる恐ろしい体験を話す
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