介護職員をやっていたころ、春増さん(仮名)というおじいさんに出会った。
年でもう歩けなく、糖尿やらなんやら・・・
カタコトしか話せないんだけど、意識はしっかりしていた。
他の老人達もいるなかで、なぜか春増さんとよく話をした。
昔足が速かっただの、女にもてただの・・・
早く結婚しろだの、散髪しろだの・・・
あまり長い話は理解できないらしく、毎日少しづつ会話をした。
私の祖父祖母は幼いときに亡くなっていたので、
春増さんの事を自分のおじいさんのように思っていた。
そんなある日
初めて遅刻をした。
バスに乗り遅れ、2時間ほど。
ただの寝坊だった。
なにかが違う!?
いつもなら必ず返答してくれるのに・・・
うす目をあけたまま天井をぼーっと見ている。
脈もしっかりしていて、呼吸も正常。
だけど、揺さぶっても何の反応も示さない。
すぐに看護婦を呼びに行った。
脳硬塞だった。
2日後・・・意識はもどることなく
逝った。
「生前あなたに渡して下さいと言っていました。」
そういって、こぎたない財布を渡された。
中には、一万円札が二枚と五千円札が二枚入っていた。
こういう物は受け取れませんと断ったが
「必ず受け取ってくれ!! 金額の問題ではないんだ!!」
家族は必死だった。
なぜ? どうして? 理由を家族に聞いた。
財布に入っているお札は全てピン札だった。
話によると、子供や孫のボーナスやら初任給やらの時の物らしい
もし自分にもしもの事があった時
せっかくもらった気持ちを返すのは心ぐるしかったらしい
そこでいつもお世話になっている自分に渡すようにと言っていたそうだ。
仕事中にも関わらず泣いた。
大声で泣いた。
それから1ヶ月後仕事を辞めた。
春増さんとの事いらい、患者とまじめに向き合うことが怖くなった。
普段の何気ない会話でさえもできなくなっていた。
今現在、人の死に関わるような仕事からかけ離れた職に就いている。
逃げだと言われてもしょうがない。
でも、数年たった今でも部屋の机の上には
ボロボロの財布と、黄ばんだピン札が大事にかざってある。
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