オカルト話じゃなくても良いみたいなので少しモヤモヤする話
今から30年以上前の話。
俺には姉がいて、姉は耳が聞こえない聾唖者だった。
ある日、どういう伝手なのか知らんが、姉に手術の話が来た。
当時としては新しい技術で、脳に音を電気信号のように変換する機械を埋め込み
耳から入ってくる音が聞こえるようになる、というものだった。
料金もほとんどかからないということだし(多分治験的なもの?かよくわからんけど)
両親は姉にすすめたのだが、姉は「頭にそんなもの埋め込むなんて怖い」と拒否した。
俺は当時まだ小学生だしアホだったので「なんで?耳が聞こえるようになったらいいのに」と思っていたが
結局、姉が強硬に拒否して手術の話は流れた。
その後、しばらくして姉の友人が手術を受けることになった。
聾学校時代からの友人で、本人は耳が聞こえるようになったら、ある男性歌手のコンサートにいきたい、と喜んでいた。
それからさらにしばらくして、母からその友人が家に篭もるようになった、と聞いた。
音が聞こえるようになってから、家から出られなくなったらしい。
健常者にとっては当たり前の日常音が、音のほとんど無い世界に生きてきた彼女にとっては恐ろしい世界だったらしい。
その後、どうなったのか詳細は知らないが、その女性はそれから数年後に電車に飛び込んでジサツをした。
それが手術が原因なのか、他の事が原因なのかはわからない。
でも、もし、手術をしなければジサツしなかったのかも、というのが心のどこかで引っかかっている。
障害者が健常者になる、ということは手放しで喜べるものじゃない、ということを思い知らされた
多分、人工内耳の手術だと思う
先天的な聾者の場合、脳と神経ネットワークが完成する十歳くらいまでに手術を受けないと、色々と弊害が有るって
この技術が開発された当初、大人になってから手術を受けた先天的な聾者は
言葉等、音に意味の有る事が認識出来ず
全ての音が雑音として入って来る事に耐えきれず
精神を病んだ末に、元の聾者に戻った
その後研究が進んで、脳が完成する前に手術を受けないとダメだと分かったって
そっちの場合はアイマスクして暮らせば何も問題なかったそうだ
ただ角膜手術は亡くなった提供者がいるだけに
本人の苦痛を理解できない人からかなり叩かれたらしいが…
聴覚は再手術でもしない限り遮断できないからなー
難聴の子供の両親がふたりとも難聴で、両親が
「子供に埋め込み術をさせてしまうと、手話など、われわれ難聴者の文化の継承ができなくなる」
と主張して子供に手術を受けさせなかった、というドキュメンタリーが前にこのスレでも出ていた。
アメリカでは一部のろうあ者の団体が「人工内耳埋込術の推奨は一種の民族浄化である」
と反対しているという話も
詳しくありがとう
全然知らなかったんだけど、そういうのがあったんだな・・・
姉に手術が来たのは20才前後だと思うので
その時点ではそういうことがまだ判ってなかったってことなんかな。
姉は偶々「頭に機械を埋め込むなんて怖い」と拒否したけど
一歩間違えたら、姉が精神病んでたかもしれんね。
姉はその後、同じ聾唖の男性と結婚して、子供二人育てて
現在は孫もできて幸せな生活を送っているだけに
友人が不憫だ・・・
引用元: ・後味の悪い話 その166
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ミステリー物でタイトル忘れたけど埋める派と埋めない派で凄く揉めたのが殺害理由だったかな、裏切り者だみたいに罵ってたと思う
なんだかやるせなかった