じゃあ俺もしょぼい復讐をした話を
もう二十年近く前の話。
俺の中学の購買は、事前に袋にお金と注文用紙入れておばちゃんに渡すと、
昼休みには取り置きして袋にいれておいてくれるというシステムがあった。
当時、購買に憧れてた自分は親の弁当を断って購買を使ってたんだけど、
ある時から俺の購買袋が消えるという事態が起こりはじめた。
まあ頼めば時間かかるとはいえ作り直してくれるから腹ペコにはならなかったけど、
購買のおばちゃんには迷惑かけるしキッズがらも売上丸損なのはわかってたから申し訳なかった。
図書委員だった俺は昼休みに速攻で図書室を開錠しなきゃならなかったから、
その隙を突かれて盗まれてた様子。
俺がパン食ってるの見て「母親に弁当作ってもらえないなんて愛されてないんだな(笑)」とか馬鹿にしてて、
正直ネグレクト気味だった面もあって毎日言われて結構キツかったから、復讐を決意。
まあ方法としては単純。
三時限後の休み時間にはパンが取り置きされてるのを把握してたので、
奴らが昼休みに来る前に逆にこっちから連中の分のパンを確保。
連中の嫌がらせ受けながら飯を食いたくなかったから、最近はそこでのんびり過ごしてたんだ。
で、昼休み。
悠々とそこで普段より多い昼飯を完食した俺は、そこでようやくハタと気がついた。
「あいつらも弁当作ってもらってないじゃん!」
思わず大爆笑。
どうせ奴らは購買袋が無くなった事で絡んでくるに違いないから、
絶対に言い返してやろうと決意して、俺は教室に戻った。
ところが連中からは何も無し。
なるべく連中の方を見ないまま午後の授業を終えて帰りのホームルームになった。
と、そこで担任が「ちょっと話がある」と切り出した。
「運動部3人の購買袋が無くなった。みんな何か知らないか?」
思わず連中の方を見ると泣き出しそうな顔をしてた。
なるほど、午後絡んでこなかったのは腹ペコだったせいか。
ていうか購買のおばちゃんに頼んで作り直してもらわなかったのか。
そもそも「チクんなよ!」とかイバり散らしてた奴らが昼飯抜き程度でチクるのかよ。
うわザコじゃんとか思ってたのは覚えてる。
まあ連中の所属する運動部の顧問はスパルタで、練習も、キツいそうだから、
腹ペコでヘロヘロだと余計にしごかれそうだけど、まったく同情はしなかった。
その後も絡まれたけど、
たかだか昼飯抜きくらいで先生にチクる奴らって事で前ほど威張れなくなったし、
俺も「そんなに怒鳴ると腹減るぞ?」とか「親が弁当も作ってくれないとか可哀想」とか、
哀れむ感じで言い返したりしてたら、学年変わると同時に会わなくなった。
支援どもでした。
食べ盛りじゃキツイだろな。
しかし運動部3人…せんせーにいいつける位なら自分らは盗み食いすんなよ、と思う。
自称チキンの報告者にも舐められるとか凋落が笑える。
引用元: ・本当にやった復讐 15