そこに数軒の家が建ったんだが、パッと見には分からないけどいつの間にか閉鎖的なコミュニティと化していた。
特に奥様の結束が強固で、子供を預け合ったり持ち回りでお茶会してたりして楽しんでたようだった。
実家のある県では都市部でもそんなのはあまり聞いたことが無く、中規模のベッドタウンとしてゆっくり開発が進む田舎町では少々異質だった。
ただ、他人に迷惑をかけるでなし、地域のお祭りにも普通に参加していたので特に陰口を叩かれるようなこともなかった。
もちろん件の奥様達はそれでも疎外感はあったのだろう、年々少しずつ閉鎖的にはなっていった。
それも仕方ないと思う。
その数軒の家に囲まれた空き地があったんだが、そこは子供達の遊び場となっていて、いつの間にか砂場やブランコ、タイヤの遊具などが置かれていた。さらにお洒落な木製テーブルや椅子も置かれ、芝生も敷かれて奥様がニコニコと子供を見守ったりもしていた。
他の地区から来た子供が遊ぶこともあったが、基本的にそこの数軒の家々の子供達+奥様達専用といった感じだった。
実は空き地じゃなくて、住宅地になったときにそこも買い手がついていた。
事情があって放置されてたが、ついにそこに家を建てて買い手の親族が住むことになったと。
すると件の奥様達が猛反発。
私の実家にも土地を売った経緯を聞きに来たりしていた。地区の議員のところや役場にも出向いたりしていたらしい。
要は、空き地は子供達が公園として利用している、遊び場・安らぎの場を潰してまで家を建てるべきではない、と。
中には代わりの土地を用意してくれと要望する奥様もいた。
旦那様達は基本静観していて、とくに表立って出てきたことはなかった。
出てきた所で、他人の土地を勝手に利用してた訳だし、そんな主張をしたところで呆れられるだけだった。
ある時、買い手の親族が空き地の様子を見に来たんだが、それに件の奥様達がクレームをつけにいった。
車のそばにいた買い手の親族の周りを囲んで、興してとうとう「出て行け」とまで言ったらしい。
買い手の親族の婚約者もいたんだが、奥様達の剣幕におそれをなしてそこに家を建てることを断念してしまった。
仮に建てたとしてもそこでやっていくのは難しいと思ったんだろう。
私の実家にもその旨を奥様達に伝えてくれまいかと連絡が来た。
遊具の撤去と原状回復を要求し、聞き入れないなら勝手に処分させてもらう、かかった費用と土地の使用料を請求する、と。
それを聞いた奥様達は逆ギレしてまた反発したが、今度は旦那様達が奥様を抑えて原状回復に同意した。
しかしいつまで経っても空き地はそのまま。どうやら費用の負担や撤去した遊具類をどうするか、あるいは撤去そのものに対する反対で各家庭が揉めていたらしい。
結局、爺様は業を煮やして空き地を遊具ごと高いフェンスで囲ってしまった。
しかも爺様の会社から出た不要品や廃材もそこに運び込んだ。
爺様は「撤去が決まったらいつでも連絡してくれ。それまでは当然こちらで土地を利用する。」と伝えた。
私の実家に旦那様達からとりなしの依頼が来たが、「とりあえずフェンスをどけて廃材も撤去してほしい」と。
「遊具の撤去や原状回復はこちらで意思統一出来るまでおいといて欲しい。」と。
そんなのはムリに決まってるので丁重にお断り。
奥様達の結束は強固だったが、旦那様達との間に溝が出来てそれに疑問をもった奥様の一部が奥様グループから抜け、子供達も派閥が出来て争うようになってしまった。
ただ、子供の多くは中学生以上になってたので、シラケた目でその争いを見ていたらしい。
最近聞いた所では一組離婚して旦那様が越して行き、別の家庭の子供は別居先から学校に通うようになったそうだ。
一応フェイク入れたけど、親を引き取って実家も処分したので問題ないと思いカキコ。
それと私自身も既婚者なので思うのですが、こういう近所づきあいべったりの方々って
よっぽど暇なんですか? いえ、質問ではなく、感想です。
自分の周りは子供がいたら子育て関係、働いている人も居るし、ママ友?とどっぷり
付き合っている人がいないので、なんでそこまで暇なのか理解できない。
引用元: ・因果応報かんじたとき