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子供も巣立ったし、あとは還暦を迎えた夫＆私だけだから、
夫婦高齢化に備えて、
室内の段差解消と、手すりを取り付けるバリアフリー工事を含めて
全面リフォームをした。
新居（じゃないけど、気分は）での初めての夜。
どこもかしこも新品ピカピカ、
家具の配置なども終わって、じゃ、お風呂に入るかとなって。
なにしろ新品、ピカピカ輝く本当の一番風呂！
まずいそいそと服を脱いだ夫が、浴室に一歩入って、
「う？」とかすかに変な声を出した。
どうしたのと声をかけようとしたが、普通に水音がし始めたので
ちょいと足でも滑らせただけかと放っておいた。
夫が出た後、私が入った。
浴室に一歩入った途端、私も「うっ」と変な声を出してしまった。
リフォーム前は、浴室には、ムネから上しか映らない、小さい鏡しかなかった。
洗面所も同様。
全身の映る「姿見」は寝室にしかなく、それは外出前の身だしなみチェック用。
つまりこれまで、自分の一糸まとわぬ全身を見たことがなかった。
旅館とか温泉とかで大きな鏡があるところもあるけど、
そんなところで自分のをしげしげと見ないし。
続く。
しかしリフォーム後は、浴室に全身の映る大きな（縦に長い）鏡が取り付けられており、
浴室に一歩入ると、どどんと自分の全身が目に入る。
シャワーを浴びたり体を洗ったりしている間、ずっと目に入る。
知らなかった。
いや、うすうす気づいていたが、目の前に突き付けられて、認めざるを得なかった。
自分の体がこんなにダルダルになってたなんて。
こんなにタプタプになってたなんて。
こんなに下腹がユンユン揺れてたなんて。
思ってたよりずっと足が短かったなんて。
がっくりしてお風呂から出て、キッチンでスポーツドリンクを飲んでいる夫に
「全身の映る鏡って、残酷だねえ」と言ってみたら、夫もうんうんとうなずいて、
「俺も自分の見て、びっくりして変な声出ちゃったよ」。
私「やっぱり、思ったよりお腹が出ていて、足が短かった？」
夫「それは言わないお約束」
とりあえず、週末にウォーキングを始めることにした。
年寄りは話が長くてごめんなさいね。
引用元: ・□□□チラシの裏6枚目□□□
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