母親のことが大好きだったA子は、自分も看護士になった。
そして父親によく似たタイプの男性と20代で結婚。歳の差結婚で、12〜13歳違った。
でも30になるかならないかでA子が体に不調。
A子は前述のように死んだ母親を尊敬していて、母のとおりにやりたい!という強い希望があった。
A子の話だと、A子母は看護士の仕事して、家事育児すべてやって、父方のナントカさんの看病も巡回して、
そして近所付き合い、親戚付き合いもマメで、嫁姑仲もよく…
というスーパーウーマンだったらしい。
A子の姑さんは、ものすごくキツいってわけじゃないけど、まあどこにでもいるレベルの嫌味な人。
旦那さんは悪気はないし悪い人でもないけど、結婚するまで実家住まいだったからか、何もしない人。
A子が先んじて何でもやってしまうから、余計「自分はしなくていい」と思ったんだと思う。
夫の親戚一同、家庭板に出てくるようなマジキチじみた人じゃないけど
みんなどことなく片親育ちのA子を軽んじて、看護士ならうまくこき使えると思ってるような人たち。
みんなどこにでもいる「ちょっとイヤ」レベルの人でしかなかったんだけど
A子が「私がやらなきゃ、私がやらなきゃ」で全部引き受けていたせいで
どんどん皆A子に甘えておっかぶさっていった。
「旦那さんにお願いして断ってもらいな」と言ったんだけどA子は聞かない。
「うちのおかあさんはできた。おかあさんはやってた」と言う彼女に
ついにB子が叫んだ。
「だからあんたの母親は早死にしたんだろうが!」
それみんな内心で思ってた…でも人の死に関することだから言えなかった一言だった。
A子はギョっとしたように黙り、何か考え込んで帰っていった。
その後A子は医師の薦めに従って入院。
それまでは「家のことをしなきゃ」って入院拒否してた。
旦那さんも「おまえがいないと困るよ」って引き止めてたみたいだけど、振り切って入院。
お見舞いに行ったら「時間がいっぱいあるから考え事ができる」
「父も祖母も思ってたほど素晴らしい人たちじゃなかったかもしれない」
「母の生き方を見習う意味がわからなくなってきた」と言っていた。
退院後、旦那さんと話し合って家事100%は無理、子供ほしい、親戚の病気相談に全部乗るの無理、
姑さんの送迎やらなにやらの付き合い減らしたい、と交渉。
旦那さんはその時は了承したんだけど、
「おまえは変わった」「家庭が安らげない」と言って数年後に浮気→離婚になった。
離婚したと聞いてB子が責任を感じて
「あの時あんなこと言ってごめん」と謝ったら
A子は「あの時ああ言ってもらえてよかった。そうでなかったらほんとに母と同じ歳で死んでいた」
と笑ってた。
今A子は父親とも親戚とも没交渉で、独身で、猫を飼って気ままに暮らしている。
引用元: ・今までにあった修羅場を語れ【その14】
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