
親が「新学期に間に合わなかったのかな」と言っていたので、引っ越してきた時期ははっきり覚えている。
Aはいつもにこにこしていて、なんでも一人でこなそうとする頑張り屋さんだった。
高いところの黒板消しも、私だったら先生に頼むのに、Aは椅子を引っ張ってきて自分で消そうとして、危ないからやめなさいと注意されたりしていた。
でもどんな仕事も丁寧にやるし、誰かが何か困っていたらすぐに手伝いにいってて、
先生は「みんなAちゃんを見習いましょう」とAちゃんを褒めていた。
そんなAと私は比較的近所で、行きも帰りもよく一緒に帰ったんだけど、Aは家に帰らず近くの空き地に行くことが多かった。
公園じゃないから遊具もないし、入れるのは除草されている少しの空間だけ。
Aに「なんで空き地に行くの?」と聞いても、「家に帰っても暇だから」と曖昧な答えが返ってくるだけ。
話し足りないときは一緒に空き地に着いていったけど、飽き性な私は母とおかしが待つ家へと直行することが多かった。
でもある日、すごい大雨になり、「これはやばい」と思った私は、いつもどおりに空き地に行こうとするAを無理やり我が家へと連れ帰った。
母にはAのことをよく話していたので、「連れてきた!」というと、普通に「いらっしゃい」と出迎えてくれた。
家では普通に宿題したり、遊んだりしたんだけど、Aはやっぱりというかものすごく礼儀正しかった。 そしてその上、何かと私のことを褒めていた。
○○(私)ちゃんのこういうところがすごい、と対してすごくないことを褒められるのは小っ恥ずかしかった記憶がある。
Aが帰る頃、母が何かをAと話していて(私には聞こえないように喋っていた)、Aが帰ったあと、母は「これからAちゃんと一緒に家に帰っておいで」と言ってきた。
それから、Aは毎日私の家に来た。 最初は遠慮していたけど、私が一緒に遊びたいと駄々をこね、母がAちゃんがいると○○(私)が宿題をちゃんとやるのよね、と話していると、普通に来るようになった。
それでもやっぱり礼儀正しいし、私のことを褒めるし、お菓子も私が欲しいのをくれたりと謙虚。
Aは夜の7時頃になると帰っていって、どんなに母が勧めても夕飯までは食べなかった(夕飯の支度をしだすと帰っていく)
そんな生活はAが「家の鍵を貰えたから、これからは自分の家に帰るね」と言ってきた4年生まで続いた。 その後もAとの縁は切れず、進学して離れ離れになっても手紙やメールで連絡を取り合い、半年に1,2回は会っていた。
そしてこの間、久しぶりにAが我が家へと遊びに来たんだけど、母も交えて昔の話で盛り上がっていた。
普通に皆でけらけら笑っていると、母がしんみりした様子で、「Aちゃん、元気になったねぇ」と呟いた。
私はどういうことか分からなかったんだけど、Aははっとして「はい、すっごい元気です」と笑った。
話を聞いてみると、家に遊び来ていた時のAは、とにかく私の親に嫌われまいとして行動していて、でも子供だったからその意図が見え見えだったと。
礼儀が正しいのは当たり前として、私のことをやたら褒めていたのは「自分の子供を褒める友達は疎ましがられないだろうから」という考えからだったらしい。
母は大人の顔色を伺いながら行動する小学2年生のAを見て、この子はどんな環境で育ってきたんだと可哀想に思い、家に呼ぶようになったと言う。
でも大人になった今は普通に行動しているAを見て、「良かった」と思えたらしい。
実はAは離婚した母親に引き取られる形でこっちに引っ越してきたものの、Aを疎む母は家の鍵をくれず、ずっと外で母の帰りを待つ日々だったらしい。
私の母はそのことにうっすら気づきながらも、よその家庭に口出しするのは…と静観していたが、我が家に来たAがあまりにも健気で可哀想で、 Aを家に招く一方、どうにかしてあげたいと学校や児相に相談していたらしい。
結果、Aは小学校卒業時に父方の方に引き取られ、そこで平穏な暮らしを得たという。
ちなみに私はこの話をその席で初めて知った。
小学2年生でそこまで頭が回るAもすごいと思ったし、母が意外な行動をしてたことにも驚いたし、結果として今現在のAが元気なのはよかったなぁと思う。
>>858
我が身を守るために、まだ幼い身で 年齢不相応なほど周りに気を遣う子供になっちゃったんだね、A ちゃん。 放置子にありがちな図々しさが一切無く、 すごく聡明で、けなげだなあ… 858のお母さんが思慮深く行動力のある方で、 A ちゃんが救われる結果になって、本当に良かったです! お母様の配慮にじんときました。素敵なお母様ですね。Aさんもよかった Aさんの母とはまた違うけど、私の母も子供の自分が学校に行っている間に出かけて、遅くなるときに絶対子供に 鍵を持たせなかった。 理由は「失くしたら困るから」 私の母は多分今診断受けたらADHDかなにか。どこかに行ったら必ず何かを忘れたり落としたりする。 食器を洗うたびに何かを割る。家の中で失せ物もしょっちゅう。 鍋を火に掛けたまま他のことをやって、鍋の事を忘れて鍋ごと駄目にすることも日常茶飯事 自分がそうだからって、子供の私も失くすと思い込んでいた。 幼稚園や低学年のときはともかく、小学校4年にもなればそういうことは無かったのに。 母が帰るまで家の前で座り込んでいたから、近所の人が注意しても聞かない 私が中学になったあたりから母は働き始めたけどやっぱり鍵は渡してくれなかった。 代わりに玄関先のとある場所に隠しておいて、それを使えという方式になった。 一番やっちゃいけない方法だし、当時からすでに自治会の連絡網にもそういうことをやるなと書いてあるけど無視 子供が絶対失くすからと言い張っていた。 今はとっくに親元を出ているが、私は一度も鍵をなくしたことはない。 自分の子供にもよく言い聞かせて、失くさないようにランドセルに鎖や紐でつけて鍵を持たせた事もあるが 一度も失くされたことはない。
引用元: ・何を書いても構いませんので@生活板 7
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