ある時海外で大きな災害に遭って腕の腱を傷付けてしまい繊細な作業ができなくなった。
家業が大好きでその頃もう父親の下で修行を始めてた俺はめちゃくちゃに落ち込んだ。
しばらく引きこもってジサツも考えるぐらい悲しかった。
でも両親も他の職人さんたちも優しくしてくれて、
徐々に経理や職人さんの手伝いで家業を支えることに喜びを感じられるようになった。
その災害から5年。
ある日突然(実は父が事前連絡を受けていたらしい)白人女性が我が家にやってきて、
俺と顔を合わせるなり綺麗な日本語で「5年前に貴方に命を助けていただきました」と言って頭を下げた。
俺は災害真っ只中のことはその後のショックでほとんど覚えていなかったのだけど、
どうやら瓦礫に埋もれていた彼女に拙い英語で声をかけ続けながら人を呼んで彼女を助け出したらしい。
で、ずっとお礼を言いたかったけど、俺の顔と、日本人であるという話しか覚えておらず、
必死に日本語を勉強し、何度も日本に来てあらゆる手を使って俺を探して、遂に見つけて会いに来たのだそうだ。
「自分は腕を失くした代わりにこんなに善いことをしたんだ」と思って
ひきこもってた頃の辛い思いとかが全部報われた気がして、
気付いたら泣きながら土下座して「俺と結婚してください」って言ってた。
横にいた両親パニック。今考えると自分でも意味が分からない。
でも、彼女は「貴方に全てを捧げるつもりで来ました。貴方がそれを望むなら喜んで」と了承。
実は彼女、俺を見つける過程で俺が災害の時に腕を傷付けて大切な仕事ができなくなったことを知り
自分のせいだと思ってどんな償いでもするつもりでうちに来る前に帰国して全財産売っ払って金を用意してたらしい。
彼女の両親もそれを承諾していたと言うからびっくり。(結局、金は普通の持参金ほどを受け取った)
そんなこんなで結婚し、子供が生まれ、大きくなり、今日家業を継ぐと言ってくれました。
ときどき、彼女は償いのつもりで俺といてくれるのではないかと不安になることもありましたが、
その度に「私は貴方が一番大切だからここにいるんだよ」と言ってくれました。
彼女は子供が小さい時何度も「昔お父さんがヒーローみたいにお母さんを助けてくれたんだよ」と教えていましたが
多分、本当に助けられたのは俺の方です。会いに来てくれて本当に良かった。
明日、愛してると言ってみるスレに行けたらいいなぁ。
年を取ると涙腺が弱くなって困る
あっちのスレでも待ってるよ
ヒーローから勇者になるのか。頑張れよ
乙
助け出された時にお前さんが世界一の男になったんだろうな
REGALO
引用元: ・【昔を】みんなの馴れ初めをおしえて【思い出して】 その7
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