北アルプスへ登山に行った時の話です。
その日は友人と朝5時ごろから登山を開始。
ガスってはいたものの時折雲間から太陽が出てくるような穏やかな天気。
雄大な景色を楽しみつつ、雷鳥やホシガラス、猿とすれ違いながら快調に歩き続け目的の山荘に到着。
ただし予定外が一つ、当初の予定よりも2時間も早く山小屋に着いてしまった。
(初めてのコースだったためガイドブックの時間を目安にしていたが、それより3時間も早い)
3時間ほど寝て夕食、また岳を読みながら消灯時間(たしか21時)までダラダラ。
正直言って眠くなかったが、寝ないと明日の縦走に影響がでるため頑張って睡眠。
しかし眠りが浅く午前1時ごろ完全に目が覚める。
しばらくゴロゴロして過ごすが全く眠れず、そういえば今日は新月だったことを思い出し星を見るために山小屋の外にでる。
見上げすぎて首が痛くなった頃、ふと周りを見るといつのまにか山荘から少し離れた場所まで来ていたことに気づく。
自分の周りは足下があまり見えないほど真っ黒で、宇宙空間に投げ出された宇宙飛行士のイメージが頭をよぎる。
さっきまで楽しかった場所が急に怖くなり、足場に気をつけながら山小屋に戻ることにする。
トイレの入り口の集金ボックスは手持ちがなかったため無視。
狙いは小だったが何となく便座の方へ、
豆電球に照らされる個室の中でぼんやりとスマホを眺めながら、この後どうやれば眠たくなるか考えていると、建物入り口のドアが開いた。
トイレは男女共用なので、入って来たのが女性だったらと少しドキドキしたが、
入ってきた気配はトイレの廊下を何回も行ったり来たり、これは変だなと気づいた。
何となくここに居ることがバレてはいけないと思い、やり過ごすために息を潜める。
気配は相変わらずうろついている、隣の個室に入ったり出たり、廊下をいったりきたりしている。(この時自分はクマがトイレに入って来たと思っていた)
このちょっと気を緩めた瞬間だった、個室の窓、自分の後ろから「ぐふ…ぐふ…」と獣のような声が聞こえた。体が一気に凍りつく感じがした。
先に言っておくと窓の外は段差になっており6m以上の高さがある。なのにさっき消えたはずの気配がすぐ真後ろにおり、体が言うことをきかない。
これはヤバイと思ったその時、クマ除けの鈴をつけた登山者が近づいて来た、後ろの気配は鈴の音が聞こえた後、いつのまにか消えていた。
今でもクマだったのかどうか?個室に入ってなかったらどうなっていたのか?と考え、怖くなります。
基本的に幽霊は信じてませんが、不思議な体験だったので書き込みました。長文失礼しました。
引用元: ・不可解な体験、謎な話〜enigma〜 Part106
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